ノッティングヒルの恋人 | |||||||||||||||||||||||||||
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映画の森てんこ森■映画レヴュー | |||||||||||||||||||||||||||
ノッティングヒルの恋人 (1999) | |||||||||||||||||||||||||||
NOTTING HILL | |||||||||||||||||||||||||||
映画『 ノッティングヒルの恋人 (1999) NOTTING
HILL 』をレヴュー紹介します。 映画『 ノッティングヒルの恋人 NOTTING HILL 』を以下に目次的に紹介する。 ■映画『 ノッティングヒルの恋人 NOTTING HILL 』のポスター、予告編および映画データ ■映画『 ノッティングヒルの恋人 NOTTING HILL 』の解説 ネタばれをお好みでない方はこの解説をご覧下さい。 ■映画『 ノッティングヒルの恋人 NOTTING HILL 』の主なスタッフ ■映画『 ノッティングヒルの恋人 NOTTING HILL 』の主なキャスト ■映画『 ノッティングヒルの恋人 NOTTING HILL 』の音楽 ■映画『 ノッティングヒルの恋人 NOTTING HILL 』のトリビア ■映画『 ノッティングヒルの恋人 NOTTING HILL 』のスタッフとキャスト ■映画『 ノッティングヒルの恋人 NOTTING HILL 』の<もっと詳しく> <もっと詳しく>は映画『 ノッティングヒルの恋人 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー(あらすじとネタバレ)です。※ご注意:映画『 ノッティングヒルの恋人 (1999) NOTTING HILL 』の内容やネタバレがお好みでない方は読まないで下さい。 ■映画『 ノッティングヒルの恋人 NOTTING HILL 』の結末 ■映画『 ノッティングヒルの恋人 NOTTING HILL 』の更新記録 >>「映画解説・レヴュータイトル一覧表」へ(画面の切り替え) |
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幸の鑑賞評価: 8つ星 | |||||||||||||||||||||||||||
■映画『 ノッティングヒルの恋人 (1999) NOTTING HILL 』のポスター、予告編および映画データ | |||||||||||||||||||||||||||
ノッティングヒルの恋人
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●スチルはnostalgia.com、予告編はcinemaclock.comより許諾をえて使用しています。 Filmography links and data courtesy of The Internet Movie Database & Nostalgia.com. Filmography links and data courtesy of CinemaClock Canada Inc. |
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■映画『 ノッティングヒルの恋人 (1999) NOTTING
HILL 』の解説 『 ノッティングヒルの恋人 』のヒロインには、ハリウッドの大女優の役のジュリア・ロバーツ、そしてお相手は、ロンドンのノッティングヒルに住むフツーの本屋さんに扮するヒュー・グラント。二人は恋に落ちるが、大スターと一般人ということの問題が数々起こる。障害や行き違いがコミカルに最後まで楽しく展開する典型的ロマンティック・コメディ。『 ノッティングヒルの恋人 』のジュリア・ロバーツはまだ若いし何という小顔! 『 ノッティングヒルの恋人 』のヒュー・グラントもこんなに若くて、ロマコメを上手に自然に演じている。リス・アイファンズ等の脇役も映画に面白さを倍増させて絶賛ものだ。 ▲TOPへ ■映画『 ノッティングヒルの恋人 (1999) NOTTING HILL 』の主なスタッフ ○『 ノッティングヒルの恋人 』の監督: ロジャー・ミッシェル 『 チェンジング・レーン (2002) CHANGING LANES 』 ○『 ノッティングヒルの恋人 』の製作: メアリー・リチャーズ 『 シルヴィア (2003) SYLVIA 』 ○『 ノッティングヒルの恋人 』の製作総指揮: ティム・ビーヴァンとエリック・フェルナー 『 ザ・インタープリター (2005) THE INTERPRETER 』 『 ウィンブルドン (2004) WIMBLEDON 』 『 サンダーバード (2004) THUNDERBIRDS 』 『 ジョニー・イングリッシュ (2003) JOHNNY ENGLISH 』 『 サーティーン/あの頃欲しかった愛のこと (2003) THIRTEEN 』 『 ハイ・フィデリティ (2000) HIGH FIDELITY 』 『 ファーゴ (1996) FARGO 』 ○『 ノッティングヒルの恋人 』の編集: ニック・ムーア 『 フル・モンティ (1997) THE FULL MONTY 』 ○『 ノッティングヒルの恋人 』の美術: スチュアート・クレイグ 『 ハリー・ポッターと炎のゴブレット (2005) HARRY POTTER AND THE GOBLET OF FIRE 』 『 ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 (2004) HARRY POTTER AND THE PRISONER OF AZKABAN 』 『 ハリー・ポッターと秘密の部屋 (2002) HARRY POTTER AND THE CHAMBER OF SECRETS 』 『 ハリー・ポッターと賢者の石 (2001) HARRY POTTER AND THE SORCERER'S STONE / HARRY POTTER AND THE PHILOSOPHER'S STONE 』 『 イングリッシュ・ペイシェント (1996) THE ENGLISH PATIENT 』 ○『 ノッティングヒルの恋人 』の配役: メアリー・セルウェイ 『 リディック (2004) THE CHRONICLES OF RIDDICK 』 『 マスター・アンド・コマンダー (2003) MASTER AND COMMANDER: THE FAR SIDE OF THE WORLD 』 『 抱擁 (2002) POSSESSION 』 『 K−19 (2002) K-19: THE WIDOWMAKER 』 『 ゴスフォード・パーク (2001) GOSFORD PARK 』 『 エニグマ (2002) ENIGMA 』 『 娼婦ベロニカ (1998) DANGEROUS BEAUTY / A DESTINY OF HER OWN 』 (『 ノッティングヒルの恋人 』のスタッフの多くは主演ヒュー・グラントの作品に携わっているので、その諸タイトルは上記リストから割愛しています。) ▲TOPへ ■映画『 ノッティングヒルの恋人 (1999) NOTTING HILL 』の主なキャスト ●ジュリア・ロバーツ as アナ・スコット@ノッティングヒルの恋人 『 オーシャンズ12 (2004) OCEAN'S TWELVE 』 『 クローサー (2004) CLOSER 』 『 モナリザ・スマイル (2003) MONA LISA SMILE 』 『 コンフェッション (2002) CONFESSIONS OF A DANGEROUS MIND 』 『 フル・フロンタル (2002) FULL FRONTAL 』 『 オーシャンズ11 (2001) OCEAN'S ELEVEN 』 『 アメリカン・スウィートハート (2001) AMERICA'S SWEETHEARTS 』 『 エリン・ブロコビッチ (2000) ERIN BROCKOVICH 』 『 プリティ・ブライド (1999) RUNAWAY BRIDE 』 ●ヒュー・グラント as ウィリアム・タッカー@ノッティングヒルの恋人 『 ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12カ月 (2004) BRIDGET JONES: THE EDGE OF REASON 』 『 ラブ・アクチュアリー (2003) LOVE ACTUALLY 』 『 トゥー・ウィークス・ノーティス (2002) TWO WEEKS NOTICE 』 『 アバウト・ア・ボーイ (2002) ABOUT A BOY 』 『 ブリジット・ジョーンズの日記 (2001) BRIDGET JONES'S DIARY 』 『 いつか晴れた日に (1995) SENSE AND SENSIBILITY 』 ●リス・アイファンズ as スパイク@ノッティングヒルの恋人 『 悪女 (2004) VANITY FAIR 』 『 家族のかたち (2002) ONCE UPON A TIME IN THE MIDLANDS 』 『 ケミカル51 (2002) THE 51st STATE (原題) / FORMULA 51 (米題) 』 『 HOTEL (2001) HOTEL 』 『 リトル★ニッキー (2000) LITTLE NICKY 』 ●ジーナ・マッキー as マックスの妻ベラ@ノッティングヒルの恋人 『 ヤァヤァ・シスターズの聖なる秘密 (2002) DIVINE SECRETS OF THE YA-YA SISTERHOOD 』 『 リトル・ストライカー (2000) THERE'S ONLY ONE JIMMY GRIMBLE 』 『 ジャンヌ・ダルク (1999) JOAN OF ARC / THE MESSENGER: THE STORY OF JOAN OF ARC 』 ●ヒュー・ボネヴィル as バーニー@ノッティングヒルの恋人 『 STAGE BEAUTY 』 『 アイリス (2001) IRIS 』 ●ヘンリー・グッドマン as リッツホテル・フロント@ノッティングヒルの恋人 『 ライフ・イズ・コメディ! ピーター・セラーズの愛し方 (2004) THE LIFE AND DEATH OF PETER SELLERS 』 ●パトリック・バーロウ as サヴォイホテル・フロント@ノッティングヒルの恋人 『 恋におちたシェイクスピア (1998) SHAKESPEARE IN LOVE 』 ●アレック・ボールドウィン as ジェフ・キング@ノッティングヒルの恋人 『 アビエイター (2004) THE AVIATOR 』 『 ハットしてキャット (2003) THE CAT IN THE HAT 』 『 プルート・ナッシュ (2002) THE ADVENTURES OF PLUTO NASH 』 『 ザ・ロイヤル・テネンバウムズ (2001) THE ROYAL TENENBAUMS 』 『 パール・ハーバー (2001) PEARL HARBOR 』 ●ジョン・ゴメス as サヴォイホテル記者会見のレポーター@ノッティングヒルの恋人 『 銀河ヒッチハイク・ガイド (2005) THE HITCHHIKER'S GUIDE TO THE GALAXY 』 『 アルフィー (2004) ALFIE 』 『 スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー (2004) SKY CAPTAIN AND THE WORLD OF TOMORROW 』 『 007/ダイ・アナザー・デイ (2002) DIE ANOTHER DAY 』 『 めぐりあう時間たち (2002) THE HOURS 』 ▲TOPへ ■映画『 ノッティングヒルの恋人 (1999) NOTTING HILL 』の音楽 ○『 ノッティングヒルの恋人 』の映画音楽: トレヴァー・ジョーンズ 『 80デイズ (2004) AROUND THE WORLD IN 80 DAYS 』 『 リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い (2003) THE LEAGUE OF EXTRAORDINARY GENTLEMEN 』 『 フロム・ヘル (2001) FROM HELL 』 『 13デイズ (2000) THIRTEEN DAYS 』 『 キャメロット・ガーデンの少女 (1997) LAWN DOGS 』 『 G.I.ジェーン (1997) G.I. JANE 』 『 ブラス! (1996) BRASSED OFF 』 ○『 ノッティングヒルの恋人 』の作曲:ジョン・マケルホーン John McElhone (♪ "In Our Lifetime) 『 ベッカムに恋して (2002) BEND IT LIKE BECKHAM 』(♪ "Inner Smile") ○『 ノッティングヒルの恋人 』の作曲:スティーヴ・ポルツ Steve Poltz ○『 ノッティングヒルの恋人 』の作曲:シャーリーン・スピテリ Sharleen Spiteri (♪ "In Our Lifetime") 『 エバー・アフター (1998) EVER AFTER 』(♪ "Put Your Arms Around Me") ○『 ノッティングヒルの恋人 』の作曲:ダイアン・ウォーレン Diane Warren (♪ "From the Heart") 『 ロイヤル・セブンティーン (2003) WHAT A GIRL WANTS 』(♪ "Because You Loved Me") ○『 ノッティングヒルの恋人 』の使用曲:シャルル・アズナブール Charles Aznavour (♪ "She") 『 アララトの聖母 (2002) ARARAT 』等、多数に出演や音楽 ○『 ノッティングヒルの恋人 』の使用曲:ザ・ビ−・ジ−ズ The Bee Gees の バリー・ギブ Barry Gibb とロビン・ギブ Robin Gibb (♪ "How Can You Mend a Broken Heart") 『 セイブ・ザ・ワールド (2003) THE IN-LAWS 』(♪"Wedding Day") ○『 ノッティングヒルの恋人 』の使用曲:ハーバート・クレッツマー Herbert Kretzmer (♪ "She") ○『 ノッティングヒルの恋人 』の使用曲:アンドリュー・ロイド・ウェバー Andrew Lloyd Webber (US end title ♪ "No Matter What") 『 オペラ座の怪人 (2004) THE PHANTOM OF THE OPERA 』(♪ "Learn To Be Lonely") ○『 ノッティングヒルの恋人 』の使用曲:ロジャー・ホワイト Roger White ▲TOPへ ■映画『 ノッティングヒルの恋人 (1999) NOTTING HILL 』のトリビア ☆『 ノッティングヒルの恋人 』のロケ ウィリアムがアナのSF映画を観るシーン ノッティングヒルのコロネット劇場 Coronet Cinema, Notting Hill, London, England, UK ☆『 ノッティングヒルの恋人 』のロケ ヘンリー・ジェームズ作品の撮影現場のシーン ロンドンのハムステッドのケンウッドハウス Kenwood House, Hampstead, London, England, UK ☆『 ノッティングヒルの恋人 』のロケ アナとウィリアムのデートで夕食のシーン ロンドンのメイフェアのメトロポリタン・ホテルの日本料理店 Nobu Restaurant, Metropolitan Hotel, 19 Old Park Lane, Mayfair, London, England, UK ☆『 ノッティングヒルの恋人 』のロケ 屋外のマーケットのシーン ロンドンのポートベローロード Portobello Road, London, England, UK ☆『 ノッティングヒルの恋人 』のロケ ラストの記者会見のシーン ロンドンのウエストエンドのサヴォイ・ホテル Savoy Hotel, West End, London, England, UK ☆『 ノッティングヒルの恋人 』のロケ アナとウィリアムの結婚式のシーン ロンドンのヘンペル・ホテル The Hempel Hotel, London, England, UK ☆『 ノッティングヒルの恋人 』のロケ アナの宿泊ホテルのシーン ロンドンのリッツ・ホテル The Ritz, London, England, UK ☆『 ノッティングヒルの恋人 』のロケ ラストでウィリアムのエスコートでアナがプレミアに出席するシーン ロンドンのウェストミンスターのレスター広場のUCIエンパイア劇場 UCI Empire Cinema, Leicester Square, Westminster, London, England, UK ☆『 ノッティングヒルの恋人 』のロケ 他のシーンは殆ど実際にノッティングヒルで行われた。 Notting Hill, London, England, UK |
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【『 ノッティングヒルの恋人 』のスタッフとキャスト】 | |||||||||||||||||||||||||||
監督: ロジャー・ミッシェル Roger Michell (Directed
by) 製作: ダンカン・ケンワーシー Duncan Kenworthy (producer) メアリー・リチャーズ Mary Richards (line producer) 製作総指揮: ティム・ビーヴァン Tim Bevan (executive producer) リチャード・カーティス Richard Curtis (executive producer) エリック・フェルナー Eric Fellner (executive producer) 脚本: リチャード・カーティス Richard Curtis (written by) 撮影: マイケル・コールター Michael Coulter (Cinematography by) 編集: ニック・ムーア Nick Moore (Film Editing by) 美術: スチュアート・クレイグ Stuart Craig (Production Design by) 音楽: トレヴァー・ジョーンズ Trevor Jones (Original Music by) 出演: ジュリア・ロバーツ Julia Roberts as Anna Scott アナ・スコット ヒュー・グラント Hugh Grant as William Thacker ウィリアム・タッカー リス・アイファンズ Rhys Ifans as Spike スパイク ティム・マッキナリー Tim McInnerny as Max マックス ジーナ・マッキー Gina McKee as Bella ベラ エマ・チャンバース Emma Chambers as Honey ハニー ヒュー・ボネヴィル Hugh Bonneville as Bernie バーニー ジェームズ・ドレイファス James Dreyfus as Martin マーティン ミーシャ・バートン Mischa Barton as 12-year-old Actress 子役女優 サミュエル・ウェスト Samuel West as Anna's Co-Star アナの共演者 ヘンリー・グッドマン Henry Goodman as Ritz Concierge リッツホテル・フロント パトリック・バーロウ Patrick Barlow as Savoy Concierge サヴォイホテル・フロント アレック・ボールドウィン Alec Baldwin as Jeff King ジェフ・キング ジョン・ゴメス John Gomez as Savoy Hotel Reporter サヴォイホテル記者会見レポーター ▲TOPへ |
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<もっと詳しく> | |||||||||||||||||||||||||||
ストーリー展開の前知識やネタバレがお好みでない方は、読まないで下さい。 |
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■映画『 ノッティングヒルの恋人 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー 【ノッティングヒルの恋人 第01段落】 ノッティングヒル Notting Hill とは、英国は西ロンドンの瀟洒で落ち着いた佇まいの街の名。『 アバウト・ア・ボーイ (2002) ABOUT A BOY 』もノッティングヒルで撮影されたのだ。ここの一角でウィリアム・タッカー(ヒュー・グラント)は書店「 The Travel Book Co.」という旅行関係の本の店を営んでいる。ウィリアムはバツ一の三十男で、張りのなり生活を送っていた。ある日、世界的に有名なハリウッドの人気女優アナ・スコット(ジュリア・ロバーツ)がサングラス姿でお忍びで店に突然やってくる。アナ・スコットは映画のプロモーションでロンドンに来ているのだ。 【ノッティングヒルの恋人 第02段落】 アナとウィリアムはお互いに一目惚れする。でも、片やお国の違う米国はハリウッドの売れっ子スターで、片や地元ノッティングヒルで本屋さんをしている普通人だ。恋なんてそんなことありえない。だからお互いにそんな素振りは見せない。でも、アナが店から出て行くと、ウィリアムは追っていって、その拍子にオレンジジュースを服にこぼしてしまった。ウィリアムの自宅もすぐ目の前、ノッティングヒル界隈にあるので、服の汚れをとってくださいとウィリアムはアナに提案する。すると、断られずに、大スターのアナはウィリアムの家についてきたではないか。この自宅は玄関が青いドアで、映画撮影の後も観光客が絶えないという。 【ノッティングヒルの恋人 第03段落】 アナは洗面室で服の汚れをとって、ウィリアムはたじたじと飲み物を勧めたりしているが、そんなドジで初心(うぶ)なウィリアムをアナはじっと微笑んで見つめている。ウィリアムはこれだけの経験でも夢心地でアナを玄関から見送った。ウソ〜、ホントかよ〜、もっと積極的にすればよかったって感じで。するとチャイムが鳴って、アナがまた来た。忘れ物をとりに戻ったのだが、ウィリアムにキスする。もうびっくりのウィリアム。ところで、ウィリアムのこの家は、もう一人の男性と共有で暮らしている。それはスパイク(リス・アイファンズ)という、捉えどころのない風変わりで滑稽な男だ。アナが玄関ホールでウィリアムと対面していても、ハリウッド・スターだとは気づかないくらい。アナは帰り、ウィリアムはこの思い出を一生の宝にしておこうと思う。 【ノッティングヒルの恋人 第04段落】 それから数日後、ウィリアムは留守中の電話の有無をスパイクに聞いてみると、伝言は母親からくらい。でもよく聞くと、他にもアナとかいう女性から電話があったという。スパイクはこういう無責任・無頓着な人間なのだけど、憎めない性質だ。その女性は、リッツホテルに電話してくださいと伝言したそうなのだ。でももう二、三日たっているから嫌われていないだろうか。ウィリアムはリッツホテルに電話して、宿泊客の「〜さん」お願いします、と言っても、アナはホテルではいつも偽名で泊まっているので困ってしまう。電話の相手のホテルマン(ヘンリー・グッドマン)は冷静に電話受けをして、正しい偽名が告げられるのを待つ。 【ノッティングヒルの恋人 第05段落】 すると、「フリントストーンと言っていた!」とスパイクはやっと思い出した。アナはマンガの主人公の名、例えば「バンビ Bambi 」とか「フリントストーン Flintstone 」という偽名を使うお茶目な習慣なのである。電話が通じ、4時に部屋に来てと言われてウィリアムは有頂天だ。ウィリアムは黄色のバラを買って、リッツホテルへいそいそと赴く。エレベーターでも、廊下でも、同じような年頃の男性と一緒になり、それも、同じ部屋、アナの部屋にだ。どういうこと?アナのスイートルーム #38 Trafalgar Suite は、アナの新作映画のプロモーションの場で、ジャーナリスト達でごった返している。各社の記者はインタヴューは五分間という。 【ノッティングヒルの恋人 第06段落】 ウィリアムは記者ではないので、雑誌社名を問われて、そこにあった雑誌の名「 Horse & Hound 馬と猟犬」を咄嗟に語って入室することが出来た。そしてアナの部屋に通され、二人は久しぶりの再会を喜び合う。アナが4時と指定したのは、こういうインタヴューはもう終了している時刻の筈だったからだ。積もる話はあっても、そばにはアナの執事のような老人がいるのでプライベートな話はできない。ウィリアムとアナは間の抜けた問答で笑わせて、あっという間に五分間が経った。 【ノッティングヒルの恋人 第07段落】 ウィリアムは退室されて、映画関係の他の人ともインタヴューに回された。『 シックス・センス (1999) THE SIXTH SENSE 』や『 キャメロット・ガーデンの少女 (1997) LAWN DOGS 』主演の女の子ミーシャ・バートンも登場する。レオナルド・ダ・ヴィンチ Leonardo da Vinci (『 ダ・ヴィンチ・コード (2006) THE DA VINCI CODE 』参照)とレオナルド・ディカプリオ Leonardo DiCaprio (『 アビエイター (2004) THE AVIATOR 』等に出演)の区別がつかなかったり、映画オンチ丸出しのウィリアム。 【ノッティングヒルの恋人 第08段落】 この後、ウィリアムはアナ独りの部屋に通された。ちゃんと全員が帰るまで時間を費やしてアナに会えるように、広報のカレンが手配をしてくれていたのだ。そこで、次のデートを決めるわけだが、ウィリアムの妹ハニー(エマ・チャンバース)の誕生日のパーティに今夜一緒に行くのがデートになる。一般家庭に大女優が行くなんてこれもありえなそうだけど、実行するのだ。 【ノッティングヒルの恋人 第09段落】 パーティの場は、これもノッティングヒルの、ウィリアムの家の近くに住む友人夫妻の家だ。夫マックス(ティム・マッキナリー)はほろほろ鳥(キジの一種らしい)の料理をしてくれている。妻ベラ(ジーナ・マッキー)は車椅子。後で分かるが、ベラはウィリアムの元恋人で、友人のマックスの方と結婚してしまった人。でもそういう昔のことは全然ネックになっていない明るい仲間達だ。ウィリアムは別の女性との結婚・離婚を経てベラにふられたという二回だけ愛の体験があって、今は愛のない暮らしをしているという設定の為にこういうキャラをつくったのだろう。 【ノッティングヒルの恋人 第10段落】 マックスもベラもアナを快く歓迎する。妹のハニーはパンクな感じでトンデル女の子。ファンである大スターのアナが来ていて大感激し、兄さんと結婚してくれれば姉妹になれるのにと冗談かマジで言うくらいだ。最後に到着したハニーのボーイフレンドらしきバーニー(ヒュー・ボネヴィル)は、アナのことを全然気づかないでトンマな会話をしている。アナはギャラ 1500万ドル($1=¥ 110 換算で16億5千万円)稼ぐ大女優だというのに。そんなこんなで、庶民の家庭でのささやかなバースデイパーティの夜は楽しく過ぎていった。因みに、アナはベジタリアンだったので、肉料理は食べられなかったのだけど。 【ノッティングヒルの恋人 第11段落】 帰り際にウィリアムはアナを自宅に誘うが、それはアナは断る。でも、本来なら明日帰国するのをやめたと言う。だから翌日もデート。映画館に観に行ったりしてフツーの恋人同士のように仲睦まじく過ごした。レストランでディナーを共にしていると、傍のテーブルでは四人の男性がアナ・スコットの悪口を言っており、居たたまれなくなったウィリアムは意見する。それを聞いてアナは本当に嬉しく頼もしく感じるのだ。そして夜が更けて、リッツホテルの前に着いた。5分後にホテルの部屋に来て、ということになって一旦別れる。‘恋人’の待つ部屋へ赴く前に『 卒業 (1967) THE GRADUATE 』で口臭を気にするのと同じく、ウィリアムも同様の仕草で期待でワクワク。 【ノッティングヒルの恋人 第12段落】 アナの5分後に部屋に行くと、アナは当惑して、帰って、と言って慌てている。米国にいる筈のカレシのジェフ・キング(アレック・ボールドウィン)が急に来ていたのだ。ジェフはアナの部屋の隣のコネクティング・ルームにいる。そしてウィリアムの気配を感じて顔を出してきた。ウィリアムの目の前でアナとキス。アナには恋人がいたのか、とウィリアムはショックを隠せない。ホテルのルームサービスのふりをしてその場を凌いだウィリアムは、何か力が抜ける。「ごめんなさい、こういうとき何と言えば…」と言うアナに、「さよならは?」と答えてウィリアムは去っていった。 【ノッティングヒルの恋人 第13段落】 ウィリアムはまた‘独り者’の暮らしに戻らなければならない。ウィリアムはマックスとベラ夫婦にこの事態を報告すると、年齢の合いそうな恋人候補を数人紹介してくれた。でも、どれもこれもイマイチだなあ。ある朝、新聞にアナ・スコットの昔のヌード写真が掲載されてしまった。売れない時代にはそういうケースが多いのだ。すると、思いがけなくアナがウィリアムの家に再来した。またロンドンに来てまだ二日目だというのに、ヌード写真のゴシップでマスコミに追いまくられ行き場がないのだと心を痛めている。アナは元気がなく疲れきっているようだ。 【ノッティングヒルの恋人 第14段落】 そこで、アナをお風呂に入らせていると、同居人のスパイクが帰宅し、知らずにバスルームのトイレに。すると大女優がこの家のお風呂に! こういうリス・アイファンズの演技は面白い。アナはTシャツ姿になって、ウィリアムにあの時のことを謝る。ジェフとはもう別れたつもりだった人なのだ。そして、ノーマルな人とノーマルな関係を築こうとする度に悲惨なことになるのだとしみじみと語る。ウィリアムはそんなアナを元気付け、アナの台本の台詞の稽古の相手をしてあげたりする。因みに、アナの出演映画は今のところSFとか潜水艦とか核戦争といった作品が多いので、ヘンリー・ジェームズ Henry James の文芸作品なんかもいいんじゃない、とウィリアムは勧める。 【ノッティングヒルの恋人 第15段落】 この夜は、アナはウィリアムの階上の寝室のベッドに眠らせて、ウィリアムは一階の居間のソファで横になった。でも気になって仕方がない。すると、アナが降りてきた。二人の求め合う心は同じだと分かって、ベッドルームで二人は結ばれた。翌朝、仲良く楽しく目覚めた二人は古くからの知り合いのように打ち解けている。アナはベッドに朝食を運んできて、まるで蜜月のような幸福感を味わう二人だった。 【ノッティングヒルの恋人 第16段落】 しかし、それも束の間。玄関のチャイムに応えて出て行った‘パンツ一丁’(「トランクス」一枚)姿のウィリアムの目の前には、報道陣のカメラフラッシュが。スターはこれだから、おちおち恋もできない。アナがこの民家に来ていること、一般人の‘恋人’と一緒に寝たことを嗅ぎつけてきたのだ。同居人のスパイクがお金目当てにプレスに知らせたに違いないと、アナは興奮して激怒している。実際、スパイクは悪気なしにパブで二、三人に喋っちゃったのだと萎れているが。アナはゴシップから逃れようとここに来たのに余計にゴシップになってしまった、と物凄く苛立ってウィリアムにきつく当たり、秘書を呼び寄せてツンツンして出て行った。 【ノッティングヒルの恋人 第17段落】 あぁこれで万事休す。恋人同士のような一夜は夢か幻だったのか。それから季節は巡りめぐった。ノッティングヒルのポートベローマーケットをウィリアムが所在無く歩いていく。春から夏へ、秋、雪が舞う冬、そして春に・・・。このシーンも美しい。もうあの人とは会えないのだろうか。恋人になるなんて有り得ない話なのだろうか。妹のハニーがアナのエージェントのロンドンとニューヨークの電話番号をメモして持ってきてくれても捨ててしまう。ウィリアムはマックス達には、もう吹っ切れたと話しているが、仲間はそんなウィリアムの本心は見抜いているのだ。 【ノッティングヒルの恋人 第18段落】 マックスは、アナ・スコットはオスカーの主演女優賞に輝いたというニュースと、ヘンリー・ジェームズ原作の新作映画の撮影で当地に来ていると知らせてあげる。そうと知ったら、やはりウィリアムは一応ハムステッド Hampstead でのロケに行ってみる。文芸作品の主役なので、アナはヘアスタイルも時代物のロングドレスも良く似合って、流石に女優さんだ。ウィリアムにヘンリー・ジェームズ作品を勧められたので実現したのだろうな。このハムステッドのお屋敷の緑滴るシーンは本当に美しいの一言。 【ノッティングヒルの恋人 第19段落】 屋外の撮影現場でアナに再会したウィリアムは、撮影が終わるまで待ってもらえるなら言いたいことがある、というアナの言葉に従って、見学して時間を過ごし始めた。係員がヘッドフォンを貸してくれた。ウィリアムは、アナが共演者の俳優(サミュエル・ウェスト:『 ヴァン・ヘルシング (2004) VAN HELSING 』等に出演)と立ち話をしているのがヘッドフォンから聞こえる。すると、あの男性とのこと(ウィリアムとのスクープ)はもう過ぎたことだと話しているのを聞いて、ショックで帰ってしまう。 【ノッティングヒルの恋人 第20段落】 ウィリアムが待っていると思ったら帰ってしまったので、アナはウィリアムの書店にやって来た。あの共演者に話していたことは真意ではない。アカデミー賞のことも、賞は何の意味もない、もらってみて初めてただの飾りだと分かったと呟く。そして、ウィリアムの家に飾ってあるシャガール Marc Chagall のレプリカが二人とも共通に好きだと知っているので、実物のシャガールの絵をわざわざ自分の家から持ってきた。電話したかったけれど、あんなひどい事をしてしまったから電話できなかったのだとも謝る。 【ノッティングヒルの恋人 第21段落】 そして真剣な告白。今日、帰国する予定なのだけど、もし帰らなければ、もう一度わたしと会ってくれてまた好きになれますか、と。ウィリアムが答える前に、ちょうど母親から電話が入って中断。その間は書店の助手マーティン(ジェームズ・ドレイファス)に間を持たせてもらう。マーティンはオカマさんで、面白いキャラだ。やはり映画オンチで、『 ゴースト/ニューヨークの幻 (1990) GHOST 』のデミ・ムーア Demi Moore とアン・スコットを間違えるくらいだ。メグ・ライアン Meg Ryan (『 ニューヨークの恋人 (2001) KATE & LEOPOLD 』等に出演)の名も出たりと、映画ファンを喜ばせる。 【ノッティングヒルの恋人 第22段落】 さて、ウィリアムの返事は…断ってしまうのだ! ビバリーヒルズ Beverly Hills の大スターとノッティングヒルの本屋さん。完璧な女性と未熟な僕。また前みたいに捨てられると思う。今度捨てられたらもうだめだ。こう答えるウィリアムに、アナは寂しく言う。スターはただの虚像であって、ただの女の子が大好きな男の子に告白しているのだと。・・・ ▲TOPへ ◆ここからは、結末まで書いていますので、ストーリー全体が分ります。御注意下さい。 ATTN: This review reveals the movie content. Please don't say that I didn't say ! 【ノッティングヒルの恋人 第23段落】 それを知った例の仲間はウィリアムを慰めるが、スパイクはもっと積極案を出す。彼女から付き合いたいと言ってきたのだろ、と。するとウィリアムはもやもやが急に消えて、アタックし直すことに気持ちを切り替えた。ここからはスパイクは‘いい役’だ。彼らはマックスの運転する車に乗り込んで、アナの宿泊ホテル・リッツに急行する。すると、リッツホテルでは、今度はディズニーの「ポカホンタス Pocahontas 」という偽名で宿泊していたアナは既にチェックアウトして、サヴォイホテルで帰国前最後の記者会見をしていると教えてくれた。フロントのヘンリー・グッドマンはとってもいい味を出している。 【ノッティングヒルの恋人 第24段落】 また車を急がせるが、渋滞がひどくて進まない。すると、いつもはいいところがないばかりのスパイクが車から降りて他の車を止めてくれた。それを見て、妹のハニーはスパイクを見直して、恋人同士になる。こうしてやっとサヴォイホテルに滑り込んだ。でも、記者章のないウィリアムをホテルマン(パトリック・バーロウ)は入れてくれない。すると、車椅子のベラが駆けつけて身障者への対応の旨を指摘したので、ウィリアムは首尾よく入ることが出来た。 【ノッティングヒルの恋人 第25段落】 そして階上の記者会見の場ランカスタールーム Lancaster Room 。大勢のレポーター達に囲まれ、着席したアナがマイクで問答している。人並みを掻き分けてウィリアムはアナの顔の見える位置まで進んだ。そして質問。もし、馬鹿だと悟って跪(ひざまず)いたら考え直してくれますか、と。アナの顔が輝き、二人はキラキラした瞳で見つめ合う。そして「帰国は今日」を撤回し、「いつまでも」に。このシーンは永遠の名作『 ローマの休日 (1953) ROMAN HOLIDAY 』のラストシーンを髣髴とさせた。アン王女(オードリー・ヘプバーン Audrey Hepburn )と新聞記者ジョー・ブラッドレー(グレゴリー・ペック Gregory Peck )は結ばれないけれど、心からお互いを愛し尊重する心は同じである。 【ノッティングヒルの恋人 第26段落】 そして結婚式。ウェディングドレスのジュリア・ロバーツは初々しく、親戚や仲間に祝われて、ガーデンパーティ形式の披露宴をしている。公然の夫婦となった二人は、アナの新作映画のプレミアに連れ立って行く。アナはゴージャスなロングドレス姿、ウィリアムはタキシードで決めてカッコいい。その数ヵ月後、平和なノッティングヒルの街の公園で、お腹の大きくなった妻アナは、読書している夫ウィリアムとベンチで穏やかな至福の時を過ごしていた。エンディングのBGM "♪She"が感動的に流れて、ハッピーエンドの映画『 ノッティングヒルの恋人 』は幕を閉じる・・・。 以上。 <もっと詳しく>からスペースを含まず7454文字/文責:幸田幸 参考資料:「映画の森てんこ森」映画タイトル集 http://www.coda21.net/eiga_titles/index.htm IMDb allcinema ONLINE Nostalgia.com CinemaClock.com 公式サイト(英語版) http://www.notting-hill.com/ |
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■映画『 ノッティングヒルの恋人 』の更新記録 2005/06/15新規: ファイル作成 2005/09/05更新: ◆データ追加 |
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幸田 幸 coda_sati@hotmail.com |
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