スピリット | |||||||||||||||||||||||||||
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スピリット (2002) | |||||||||||||||||||||||||||
SPIRIT: STALLION OF THE CIMARRON | |||||||||||||||||||||||||||
映画『 スピリット (2002) SPIRIT: STALLION
OF THE CIMARRON 』をレヴュー紹介します。「スピリット」でも、ジェット・リー Jet Li の『 SPIRIT (2006)
霍元甲 (原題) / FEARLESS (英題) 』はこちらをクリック。 映画『 スピリット SPIRIT: STALLION OF THE CIMARRON 』を以下に目次的に紹介する。 ■映画『 スピリット SPIRIT 』のポスター、予告編および映画データ ■映画『 スピリット SPIRIT: STALLION OF THE CIMARRON 』の解説 ネタばれをお好みでない方はこの解説をご覧下さい。 ■映画『 スピリット SPIRIT: STALLION OF THE CIMARRON 』のマット・デイモン ■映画『 スピリット SPIRIT: STALLION OF THE CIMARRON 』のサウンド ■映画『 スピリット SPIRIT: STALLION OF THE CIMARRON 』のスタッフとキャスト ■映画『 スピリット SPIRIT: STALLION OF THE CIMARRON 』の<もっと詳しく> <もっと詳しく>は映画『 スピリット 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー(あらすじとネタバレ)です。※ご注意:映画『 スピリット (2002) SPIRIT: STALLION OF THE CIMARRON 』の内容やネタバレがお好みでない方は読まないで下さい。 ■映画『 スピリット SPIRIT: STALLION OF THE CIMARRON 』の結末 ■映画『 スピリット SPIRIT: STALLION OF THE CIMARRON 』の更新記録 >>「映画解説・レヴュータイトル一覧表」へ(画面の切り替え) |
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幸の鑑賞評価: 8つ星 | |||||||||||||||||||||||||||
■映画『 スピリット 』のポスター、予告編および映画データ | |||||||||||||||||||||||||||
スピリット
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●スチルはnostalgia.com、予告編はcinemaclock.comより許諾をえて使用しています。 Filmography links and data courtesy of The Internet Movie Database & Nostalgia.com. Filmography links and data courtesy of CinemaClock Canada Inc. |
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■映画『 スピリット SPIRIT: STALLION OF
THE CIMARRON 』の解説 画『 スピリット (2002) SPIRIT: STALLION OF THE CIMARRON 』のアニメはファンタジックなディズニーものではなく、ドリームワークス社による勇ましく野生的で男性的なアニメ。実写的でもあり、別の美しさを持つ非常に素晴らしい作品だ。しかも映画『 スピリット 』では、全編を流れる各種BGMでシーンごとの雰囲気を盛り上げ、心を打たれざるをえない。 映画『 スピリット 』では、雄大なアメリカ西部を舞台に、野生馬のリーダー雄馬のスピリットが人間と初めて出会い、騎兵隊による捕獲に屈せずに進む。インディアン青年との交流を絡め、雌馬と恋に落ち、故郷へ帰るまでの波乱に満ちた冒険のストーリー。雄馬スピリットの声の出演がマット・デイモンというのは超ゴージャスで話題の的。映画『 スピリット 』の多少長い原題は「スピリット:シマロン川の種馬」という意味。シマロン川はニュー・メキシコ、カンザス、オクラホマの諸州を流れ、アーカンソー川に合流する川。 しばし現実を忘れて、感動的な壮大な作品『 スピリット 』に浸りましょう。 ▲TOPへ ■映画『 スピリット SPIRIT: STALLION OF THE CIMARRON 』のマット・デイモン ●マット・デイモン as スピリットの声優 及び ナレーション 『 リプリー (1999) THE TALENTED MR. RIPLEY 』 『 オーシャンズ11 (2001) OCEAN'S ELEVEN 』 『 ジェリー (2002) GERRY 』 『 スピリット (2002) SPIRIT: STALLION OF THE CIMARRON 』 『 ボーン・アイデンティティー (2002) THE BOURNE IDENTITY 』 『 コンフェッション (2002) CONFESSIONS OF A DANGEROUS MIND 』 『 ふたりにクギづけ (2003) STUCK ON YOU 』 『 世界で一番パパが好き! (2004) JERSEY GIRL 』 『 ボーン・スプレマシー (2004) THE BOURNE SUPREMACY 』 『 オーシャンズ12 (2004) OCEAN'S TWELVE 』 『 ブラザーズ・グリム (2005) THE BROTHERS GRIMM 』 マット・デイモンの声は若々しくて明るくて晴れやかで、文句なし! ▲TOPへ ■映画『 スピリット SPIRIT: STALLION OF THE CIMARRON 』のサウンド ○『 スピリット 』の音楽のハンス・ジマーは 『 レインマン (1988) RAIN MAN 』 『 ライオン・キング (1994) THE LION KING 』 『 シン・レッド・ライン (1998) THE THIN RED LINE 』 『 グラディエーター (2000) GLADIATOR 』 『 M:I−2 (2000) MISSION: IMPOSSIBLE 2 』 『 ハンニバル (2001) HANNIBAL 』 『 パール・ハーバー (2001) PEARL HARBOR 』 『 ティアーズ・オブ・ザ・サン (2003) TEARS OF THE SUN 』 『 マッチスティック・メン (2003) MATCHSTICK MEN 』 『 ラスト サムライ (2003) THE LAST SAMURAI 』 『 恋愛適齢期 (2003) SOMETHING'S GOTTA GIVE 』 『 パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち (2003) PIRATES OF THE CARIBBEAN: THE CURSE OF THE BLACK PEARL 』 『 キング・アーサー (2004) KING ARTHUR 』 『 サンダーバード (2004) THUNDERBIRDS 』 『 シャーク・テイル (2004) SHARK TALE 』等、百本以上もの優れた映画音楽を手掛けている。 ○『 スピリット 』の音響のアン・ベルマーは 『 アンナと王様 (1999) ANNA AND THE KING 』 『 アンジェラの灰 (1999) ANGELA'S ASHES 』 『 デンジャラス・ビューティー (2001) MISS CONGENIALITY 』 『 ムーラン・ルージュ (2001) MOULIN ROUGE! 』 『 PLANET OF THE APES 猿の惑星 (2001) PLANET OF THE APES 』 『 アリ (2001) ALI 』 『 運命の女 (2002) UNFAITHFUL 』等、メジャー作品のサウンド部門でこんなにも貢献している。 ○同じく音響のポール・マッシーは 『 エアフォース・ワン (1997) AIR FORCE ONE 』 『 交渉人 (1998) THE NEGOTIATOR 』 『 マーシャル・ロー (1998) THE SIEGE 』 『 25年目のキス (1999) NEVER BEEN KISSED 』 『 悪いことしましョ! (2000) BEDAZZLED 』 『 アイス・エイジ (2002) ICE AGE 』 『 イナフ (2002) ENOUGH 』等、何と 100 本も! ○他にも音響は、 『 フロム・ヘル (2001) FROM HELL 』のロブ・ボイド、 『 シャンハイ・ヌーン (2000) SHANGHAI NOON 』 『 タキシード (2002) THE TUXEDO 』のティム・チャウ、 『 K−19 (2002) K-19: THE WIDOWMAKER 』のケヴィン・グロ−バーマン、 『 光の旅人 K−PAX (2001) K-PAX 』のジェフ・ゴミリオン、 『 マイノリティ・リポート (2002) MINORITY REPORT 』のクレイグ・ヒース、 というように、この作品はいい仕事をするスタッフに恵まれている。 |
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【『 スピリット 』のスタッフとキャスト】 | |||||||||||||||||||||||||||
製作会社: ドリームワークス 監 督: ケリー・アスバリー Kelly Asbury ローナ・クック Lorna Cook 製 作: ジェフリー・カッツェンバーグ Jeffrey Katzenberg ミレーユ・ソリア Mireille Soria 脚 本: ジョン・フスコ John Fusco トム・シト Tom Sito 編 集: クレア・ドゥシュヌ Clare De Chenu ニック・フレッチャー Nick Fletcher 配 役: レスリー・フェルドマン Leslee Feldman 音 楽: ハンス・ジマー Hans Zimmer ブライアン・アダムズ Bryan Adams スティーヴ・ジャブロンスキー Steve Jablonsky 音 響: アン・ベルマー Anna Behlmer ポール・マッシー Paul Massey ロブ・ボイド Robb Boyd ティム・チャウ Tim Chau ケヴィン・グロ−バーマン Kevin Globerman ジェフ・ゴミリオン Jeff Gomillion クレイグ・ヒース Craig Heath 美 術: パット・シト Pat Sito トム・シト Tom Sito クリストファー・オークリー Christopher Oakley 特 撮: ケヴィン・オークリー Kevin Oakley ヴィンセント・ヴィラヌエヴァ Vincent A. Villanueva 声の出演: マット・デイモン Matt Damon スピリット(ナレーション) ジェームズ・クロムウェル James Cromwell 大佐 ダニエル・スタディ Daniel Studi リトル・クリーク チョッパー・バーネット Chopper Bernet アダムズ軍曹 ジェフ・ルボー Jeff LeBeau マーフィ/鉄道の親方 ジョン・ルバノ John Rubano 兵士 リチャード・マッゴナグル Richard McGonagle ビル マット・ルヴァン Matt Levin ジョー ▲TOPへ |
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ストーリー展開の前知識やネタばれがお好みでない方は、読まないで下さい。 |
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■映画『 スピリット 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー 私は日本公開前に字幕スーパーなしの英語で観たので、わかる範囲でレヴューします。映画データについては調査した時点と公開される時点で異なる場合があります。本作の内容については、語学力と経験・常識不足のため、間違いや勘違いや適切でない表現があるかもしれません。どうかご理解賜りますようお願いいたします。また、リンクやメールをいただく場合はここを必ずお読みくださいますように。 ▲TOPへ 【スピリット 第01段落】 アメリカの大平原。渓谷と谷川。上空を飛翔する大ワシ。清流でサケを捕るクマの親子。バッファローの大群。イエローストーンのような間欠泉。その真っ白なしぶき。「僕はここで生まれた。」とマット・デイモンの心持ちいつもより明るくハイ・トーンな声。疾走して来る野生馬の群れ。躍動感に溢れ、これアニメ?と思ってしまうほどの勢いとパワーを感じさせる。それにしても上手だ。水しぶきも馬達の体の流動感も、流石にプロ、と尊敬に値する。 【スピリット 第02段落】 ライト・ブラウンの体に白いたてがみの美しい母親から生まれたのは、主人公の薄茶色の雄馬。母の愛情に包まれて無邪気に元気よく成長していく。大ワシと仲良く、仲間と共に大自然を駆け回る。体格も他の馬より一回り大きく、見るからに立派な大人の馬になった。そして父親がリーダーだったように、この「僕」も群れのリーダーとなる。当然、リーダーには責任が伴う。ピューマが襲ってくれば、独り立ち向かい、追い払い、群れの安全を確保する。こうして群れの人望?も集め、大きく強く逞しい立派な指導者(馬)になった。原題を訳せば「スピリット:シマロン川の種馬」ということになるが、「種馬」の意味の< STALLION >は「群れのトップの雄馬」という意味にとったらいいようだ。そして、スピリット(精神・霊)という名は、何も初めからついているのではなく、最後の方でインディアンの青年につけられる名前だ。野生の馬だから名はないが、「僕」というのは映画上のマット・デイモンの台詞にしておいて、ここではスピリットと呼ぶことにする。 【スピリット 第03段落】 スピリットの声(ナレーションの形で。馬自身は喋らず、ヒヒーンです。)のマット・デイモンは『 グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち (1997) GOOD WILL HUNTING 』でアカデミー脚本賞(ベン・アフレックと共同脚本)を受賞して活気付き、只今ハリウッドでますます躍進中の人気スター。『 すべての美しい馬 (2000) ALL THE PRETTY HORSES 』は文字通り馬が絡んだ西部劇的青春ドラマだった。それに『 ボーン・アイデンティティー (2002) THE BOURNE IDENTITY 』のレヴューでも触れたが、結婚しないで子供を産むとしたらアメリカ女性が求める男性の精子のトップはマット・デイモンだそうだから、この二点で< STALLION (種馬)>に配役されたのかも! 【スピリット 第04段落】 この広大な大平原はスピリットの故郷。群れを従えて丘や平原を毎日疾走する。ある夜、空に流星が見えた。何か彼の身に新しいことの起きる予感か。崖の向こうに一点の明かりが見える。母馬にはやめておきなさいと(顔つきで)言われるが、若者スピリットは好奇心で駆け下りて見に行く。ここから思ってもいなかった彼の旅が始まるのだ。マット・デイモンの声が「もっと賢ければここで戻っていたのだが…。」 【スピリット 第05段落】 降りていくと、見たこともない生き物=人間が数人、焚き火を囲んで眠っている。繋がれた馬達もいる。この男達はカウボーイで、気配で目を覚ますと、「何と美しい雄馬!」と言ってスピリットを捕まえようとする。スピリットはカウボーイ達の馬を放して逃げさせ、ビックリして逃げて自分の「巣」の方に駆け戻る。しかし、そうすると母を始め自分の率いる群れの仲間たちは同様に捕らえられてしまうので、自ら囮(おとり)となって別方向にカウボーイ達を引き寄せる。そして遂に首にロープがかけられてしまった。丘の上ではその一部始終を母と仲間の群れが見下ろしていた。捕らえられた息子を心配して降りてきそうになる母馬に、来ちゃ駄目、とスピリットは合図して、母たちは哀しげに去って行く。可哀想…。 【スピリット 第06段落】 スピリットは何が起こっているのか分からないまま、騎兵隊の砦に連れていかれた。そこには何百頭もの馬達が、兵士に完全に統制をとられて乗馬され、行進していた。初めて見る馬達のそういう姿に目を丸くする。そして調教しようとする人間どもに荒れて反抗する。ここで大佐(声:ジェームズ・クロムウェル)が銃声を一発轟かせてスピリットを威嚇する。この大佐の声ジェームズ・クロムウェルは 『 グリーンマイル (1999) THE GREEN MILE 』 『 スペース カウボーイ (2000) SPACE COWBOYS 』 『 トータル・フィアーズ (2002) THE SUM OF ALL FEARS 』 『 アイ,ロボット (2004) I, ROBOT 』等に出演の十分に貫禄あるスターだから、マット・デイモンと共に、声の出演をしていてこの映画は実に贅沢だ。 【スピリット 第07段落】 大自然に培われたスピリットの堂々とした体が初めて手を加えられてしまう。鬣(たてがみ)を切り揃えられ、蹄(ひづめ)は細工された。そして正に熱した烙印を押されようとした時、スピリットは兵士を蹴り飛ばす。でも鞍(くら)を乗せられ、轡(くつわ)がはめられ、ロディオをさせられる。こうして見ていくと、この映画は大自然の生物を人間が勝手に捕らえて好きなようにしてしまっていると批判しているのだ。人間の「我」の犠牲となっている自然界の動物たち。 【スピリット 第08段落】 ロディオは誰がやっても振り落とされてスピリットの反抗は激しく続くので、業を煮やした大佐は軍曹(声:チョッパー・バーネット)に命令する。「三日間、水と餌を与えるな。」夜、柵に繋がれたままのスピリットは故郷の母と皆を思い出して嘆く。昼は灼熱の太陽に晒され続ける。次の日、インディアンの青年が捕らえられてきて、スピリットの近くの柵に同様に繋がれる。リトル・クリーク(声:ダニエル・スタディ)というその青年とスピリットの目が合い、お互い繋がれた同士の苦笑いをする。夜、インディアンの鳥の鳴き声の合図がして、リトル・クリークの足元にナイフが飛んできて贈られる。逃げられるのかな? 【スピリット 第09段落】 三日たった朝、大佐は自信たっぷりに部下達に演説するのだ。「三日間、水と餌を与えなければ、どんな強がりをしていた馬でも従順になる。西部は決して征服できないと思われているが、そんなことはない。<懲戒と時と忍耐力>この三点で可能なのだ。」しかし、スピリットは屈しなかった。最後の力で、乗られた男を振り落とす。そこで撃たれそうになると、そばに括られていたリトル・クリークが隠していたナイフで紐を振り解き、スピリットを救ってくれる。と同時にスピリットにまたがって砦の中を疾走し、馬小屋を経由して、大平原へと脱出成功!馬小屋の中の"並"の馬達もそれについて自然界に解放された。兎に角、故郷へ! 【スピリット 第10段落】 インディアンは天性の上手さで乗馬できる。このリトル・クリークも裸馬に乗っていけるのだから。暫く走っていると、リトル・クリークの口笛の合図に、茶と純白のコントラストの美しい雌馬レインが現れて並行して走っている。これはリトル・クリークの可愛がっている持ち馬だ。スピリットは美馬レインに見惚れている間に、今度はインディアン達にロープをかけられてしまった。どこまでも自由になれないな…と溜息をつくスピリット。インディアンのテント村に連れていかれて、柵に入れられる。でもリンゴを山ほどくれた。砦のような怖い所ではなさそう。 【スピリット 第11段落】 雌馬レインがリトル・クリークと野原ではしゃぎ合っているのを見て理解できないスピリット。リトル・クリークは気のよい人間のようだから、激しい反抗はしないでおくが、リトル・クリークが乗ろうとすると、やはり振り解く。そんな光景を見て笑うリトル・クリークの友達二人(声:ザーン・マクラノンとマイケル・ホース←「馬」さん!)。二頭が好き合っていると分かったリトル・クリークは、当面、スピリットとレインを綱で繋いでおくので、柵から逃げても二頭は一緒。遠出し、空を舞う幼馴染の大ワシと再会して、スピリットの心は生涯で初めて二つに裂けて苦しむ。故郷が恋しい、このまま逃げてしまおうか?それとも雌馬レインが離れたくないというリトル・クリークのインディアン村に戻ろうか?…結局この日は村に戻ることに。 【スピリット 第12段落】 リトル・クリークはいくらスピリットに乗ろうとしても拒否されるので、ある日、もう行っていいよと柵を開けてくれた。スピリットは有難い、さらばという視線をリトル・クリークに向け、故郷へ走り始める。雌馬レインも途中で誘って行くが、突然テント村で銃声が轟くのを聞いて、レインは駆け戻る。スピリットも戻る。テント村は騎兵隊が襲撃しており、レインにまたがったリトル・クリークの方に向けて兵士が撃ち、倒れたレインは急流に落ちて流されてしまう。次にリトル・クリークが撃たれそうになった瞬間、馬のスピリットがリトル・クリークを救った。スピリットは激流に流される雌馬レインを追いかけ、寄り添って泳ぐが、二頭とも滝壷に落ちてしまった。 【スピリット 第13段落】 気がつくと二頭は岸に流され、レインは倒れたままである。その夜、スピリットは倒れている彼女に添い寝して一晩中、気遣う。愛情豊かな二頭である。しかししぶとい騎兵隊だ。寄り添って寝ている二頭を発見して、スピリットを連れ去るのだから。倒れている雌馬の方はどうせ助からないからと大佐は言って、置いて行く。別れ別れになってしまった…。その間にリトル・クリークが居場所を見つけて、愛馬レインを介抱する。そして、連れ去られたスピリットを「あの馬は僕を救ってくれた…」と呟くのであった。・・・ ▲TOPへ ◆ここからは、結末まで書いていますので、ストーリー全体が分ります。御注意下さい。 ATTN: This review reveals the movie content. Please don't say that I didn't say ! 【スピリット 第14段落】 今度はスピリットは列車に乗せられてフロンティアの鉄道工事現場に連れて行かれる。吐く息さえも真っ白になる、大平原の真冬らしい。列車の車両の外を流れていく大自然の吹雪の風景を見つめては、スピリットは母や仲間と疾走した光景を思い浮かべて、郷愁に浸る。同じ車両に乗せられている並の馬達も、スピリットのような(見ただけでも立派な風格の)スタリオンに同情と驚きの表情を見せている。白い吐息も、吹雪も、大自然も、馬の目や口の表情、そして何と言っても馬体の力強さと滑らかさ。非常に美しく、上手で、ただただ感心してしまった。 アニメーターのクリストファー・オークリーは 『 スクービー・ドゥー (2002) SCOOBY-DOO 』でも仕事をした人。 製作のジェフリー・カッツェンバーグは 『 ナイトメアー・ビフォア・クリスマス (1993) THE NIGHTMARE BEFORE CHRISTMAS 』の共同製作、 『 シュレック (2001) SHREK 』 『 シュレック2 (2004) SHREK 2 』の製作と、やはりアニメ関係で成功している人物。 製作のミレーユ・ソリアは 『 エバー・アフター (1998) EVER AFTER 』という美しい作品の製作もしている。 【スピリット 第15段落】 列車を降ろされると大陸横断鉄道の工事現場。馬達は鎖をつけられ、鉄の塊の車両を引っ張る仕事をさせられている。鉄道の親方マーフィ(声:ジェフ・ルボー)の指揮で、スピリットにも鎖がつけられ、作業に繰り出された。スピリットはなぜここに連れてこられたのかも分からないが、考えられることは、スキを見て逃げ出すこと。坂を上って車両を引いていると、線路の進む遥か先に自分の故郷の山々が見えた。僕の故郷へ向かって鉄道を敷いていくのはやめさせなければならない!ここでスピリットは頭を使って、倒れた振りをする。そして大暴れして他の馬達の鎖も外し、自分も命からがら全速力で駆けて逃げる。 【スピリット 第16段落】 スピリットが猛スピードで駆け下りていく背後には、横倒しとなった鉄の車両が迫ってきた。危機一髪という時、鉄道の線路を遥かかなたから辿って歩いてきたリトル・クリークがスピリットを救う。自分の命を騎兵隊の銃から救ってくれたスピリットを救うために、来てくれたのだ。これで安心かと思うと、騎兵隊はまだまだしつこく追ってくる。リトル・クリークは知り尽くした荒野で敵をまいて、岩や谷を越えてスピリットを疾走させる。しかし、岩場の上でとうとう行き止まりになり、下は断崖。背後には騎兵隊が迫っている。ここでスピリットはリトル・クリークを乗せたまま、芸術的な特大ジャンプをして、向こうの岩場に着地した。それを確認した兵士が撃とうとすると、大佐が止めさせる。スピリットの<スタリオン>としての風格と実力を認めて脱帽した瞬間だった。 【スピリット 第17段落】 インディアン村に帰るスピリットとリトル・クリーク。あっ、雌馬レインは生きていた!いななき合う二頭。リトル・クリークはレインと鼻っ面を合わせて愛撫し、いつまでも僕の心の中にいるよと言って、雄馬スピリットと一緒に行かせるのだった。スピリットには、ここで「スピリット」と名づけ、愛馬レインをよろしく頼むと言って、二頭を馬らしく大平原に返す。このインディアンの青年は、いかにして一緒に自由を勝ち取ったかを決して忘れることはないだろう。二頭は走りに走る。この映画を見ていると、馬というのは走るのが本当に仕事なのだなぁとつくづく思った。 【スピリット 第18段落】 大ワシが飛んでいる。遂に故郷に帰って来られた。母と群れの仲間たちと劇的な再会。喜び合い、"妻"レインを引き合わせて、また全頭で大西部を疾走する。勿論、スピリットは野生馬のリーダー、スタリオンとして先頭を力強く。 【スピリット 第19段落】 以上がストーリー。ハラハラドキドキ、勇ましく、そして泣けて…。この偉大なストーリーは、脚本もいいし、アニメーションは優れているのは当然だが、音楽の比重も相当大きかったと思う。随所随所にシーンに適したBGMを散りばめ、感動を効果的にしている。音楽が物凄くいいと思ったのも納得、音楽のハンス・ジマーは近年の 『 シャーク・テイル (2004) SHARK TALE 』等、百本以上もの優れた映画音楽を手掛けている人だったのだ。それに音響関係のスタッフも物凄く充実している。 【スピリット 第20段落】 さて、私はこの作品が大いに気に入ったが、果たして<客層>はどういうふうに見込んでいるのだろうか?幼児や低学年の子供向きではないと感じた。先ず、<柔>の要素、例えば女性の登場人物はいない。馬と、騎兵隊(それも、馬が主演の映画なので、大佐のジェームズ・クロムウェルも皆、声を遠慮して抑えている)、鉄道工事現場、インディアン青年。それだけなのだ。そして風景は大自然の緑と茶色と青い空の三つが大部分で、きらびやかさや可愛らしさを表すソフトものはない。従って、小さな子供が見たら、派手な幼稚なアニメではないから、果たして理解できるだろうか?飽きずに観られるだろうか?大人が観て丁度よかったから、心配してしまいます…。でもマット・デイモンの声は最高によかったです! 以上。 <もっと詳しく>からスペースを含まず6213文字/文責:幸田幸 参考資料:「映画の森てんこ森」映画タイトル集 http://www.coda21.net/eiga_titles/index.htm IMDb allcinema ONLINE Nostalgia.com CinemaClock.com 公式サイト(英語版) http://www.dreamworks.com/spirit/ いつも参考にしておりますallcinema ONLINE さんには、2003年1月11日の時点で[ 解説 ]は出ていませんので、これをアップしました。Thanks to allcinema ONLINE. |
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■映画『 スピリット 』の更新記録 2003/01/11新規: ファイル作成 2004/12/28更新: ◆一部テキスト追記と書式変更 2005/08/27更新: ◆データ追加 2005/10/06更新: ◆追記 2006/03/16更新: ◆追記 |
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幸田 幸 coda_sati@hotmail.com |
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