| ハリウッド的殺人事件 | |||||||||||||||||||||||||||
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| 映画の森てんこ森■読む映画試写会■映画レヴュー | |||||||||||||||||||||||||||
 ハリウッド的殺人事件 (2003) |
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| HOLLYWOOD HOMICIDE | |||||||||||||||||||||||||||
| 映画『 ハリウッド的殺人事件 (2003) HOLLYWOOD
HOMICIDE 』をレヴュー紹介します。 映画『 ハリウッド的殺人事件 HOLLYWOOD HOMICIDE 』を以下に目次的に紹介する。 ■映画『 ハリウッド的殺人事件 』のポスター、予告編および映画データ ■映画『 ハリウッド的殺人事件 HOLLYWOOD HOMICIDE 』の解説 ネタばれをお好みでない方はこの解説をご覧下さい。 ■映画『 ハリウッド的殺人事件 HOLLYWOOD HOMICIDE 』の音楽 ■映画『 ハリウッド的殺人事件 HOLLYWOOD HOMICIDE 』のスタッフとキャスト ■映画『 ハリウッド的殺人事件 HOLLYWOOD HOMICIDE 』の＜もっと詳しく＞ ＜もっと詳しく＞は映画『 ハリウッド的殺人事件 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー（あらすじとネタばれ）です。※ご注意：映画『 ハリウッド的殺人事件 HOLLYWOOD HOMICIDE 』の内容やネタばれがお好みでない方は読まないで下さい。 ■映画『 ハリウッド的殺人事件 HOLLYWOOD HOMICIDE 』の結末 ■映画『 ハリウッド的殺人事件 HOLLYWOOD HOMICIDE 』の更新記録 >>「映画解説・レヴュータイトル一覧表」へ（画面の切り替え） |
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幸の鑑賞評価： ８つ星   |
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| ■映画『 ハリウッド的殺人事件 』のポスター、予告編および映画データ | |||||||||||||||||||||||||||
ハリウッド的殺人事件
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| ●スチルはnostalgia.com、予告編はcinemaclock.comより許諾をえて使用しています。 Filmography links and data courtesy of The Internet Movie Database & Nostalgia.com. Filmography links and data courtesy of CinemaClock Canada Inc. |
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| ■映画『 ハリウッド的殺人事件 HOLLYWOOD
HOMICIDE 』の解説 映画『 ハリウッド的殺人事件 (2003) HOLLYWOOD HOMICIDE 』は、ベテランとルーキーの刑事コンビの普遍のテーマであるが、この映画はもっと人間臭い。刑事でも万能ではなくて、生身（なまみ）の人間であることを前面に出した、コミカルな味の刑事もの。『 ハリウッド的殺人事件 』のベテラン刑事には貫禄と余裕のハリソン・フォード、新米刑事にはブレイク中の美男子ジョシュ・ハートネットが扮する。『 ハリウッド的殺人事件 』では、ロサンゼルス市警に勤めながら、フォードは不動産ブローカーの副業を持っていて大忙し。一方、ハートネットもパートでヨガを教えながら、俳優志望という若手刑事である。この二人が受け持つようになるのはラップ歌手の殺人事件。ＬＡが舞台で、ラップ歌手の殺人事件だから、『 ハリウッド的殺人事件 』の原題‘ HOLLYWOOD HOMICIDE ’を直訳すれば「ハリウッドの殺人」なのだ。 ▲TOPへ ■映画『 ハリウッド的殺人事件 HOLLYWOOD HOMICIDE 』の音楽 というわけで、音楽は 『 コンフェッション (2002) CONFESSIONS OF A DANGEROUS MIND 』のアレックス・ワーマン、 『 ロミオ・マスト・ダイ (2000) ROMEO MUST DIE 』のミッシー・エリオット、 『 アリ (2001) ALI 』のアリシア・キーズ、 『 ムーラン・ルージュ (2001) MOULIN ROUGE! 』のティム・モズレー、 『 ワイルド・スピードＸ２ (2003) 2 FAST 2 FURIOUS 』のルダクリスが『 ハリウッド的殺人事件 』では楽しい曲を聞かせてくれる。 |
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| 【『 ハリウッド的殺人事件 』のスタッフとキャスト】 | |||||||||||||||||||||||||||
| 監督： ロン・シェルトン Ron Shelton (Directed
by) 製作： ロン・シェルトン Ron Shelton (producer) ルー・ピット Lou Pitt (producer) アレグラ・クレッグ Allegra Clegg (co-producer) ロバート・スーザ Robert Souza (co-producer) 製作総指揮： デヴィッド・Ｖ・レスター David V. Lester (executive producer) ジョー・ロス Joe Roth (executive producer) 脚本： ロバート・スーザ Robert Souza (written by) ロン・シェルトン Ron Shelton (written by) 撮影： バリー・ピーターソン Barry Peterson (Cinematography by) 編集： ポール・セイダー Paul Seydor (Film Editing by) 音楽： アレックス・ワーマン Alex Wurman (Original Music by) ミッシー・エリオット Missy 'Misdemeanor' Elliott (song "Gossip Folks") アリシア・キーズ Alicia Keys (song "A Woman's Worth") ルダクリス Ludacris (song "Gossip Folks") (as C. Bridges) ティム・モズレー Tim Mosley (song "Gossip Folks") (as T. Mosley) 出演： ハリソン・フォード Harrison Ford ジョー・ギャヴィラン Joe Gavilan ジョシュ・ハートネット Josh Hartnett Ｋ・Ｃ・コルデン K.C. Calden キース・デヴィッド Keith David レオン Leon レナ・オリン Lena Olin ルビー Ruby マスターＰ Percy "Master P" Miller ジュリアス・アルマス Julius Armas マーティン・ランドー Martin Landau ジェリー・ドレイン Jerry Duran ロリータ・ダヴィドヴィッチ Lolita Davidovich クレオ・リカルド Cleo Ricard ルー・ダイアモンド・フィリップス Lou Diamond Phillips ワンダ Wanda ブルース・グリーンウッド Bruce Greenwood ベニー・マッコ警部補 Lt. Bennie Macko イザイア・ワシントン Isaiah Washington アントワン・サーティン Antoine Sartain ドワイト・ヨーカム Dwight Yoakam リロイ・ワズリー Leroy Wasley ロバート・ワグナー Robert Wagner 本人 Himself メレディス・スコット・リン Meredith Scott Lynn ジャクソン刑事 I.A. Detective Jackson トム・トドロフ Tom Todoroff ジノ刑事 I.A. Detective Zino ジェームズ・マクドナルド James MacDonald ダニー・ブルーム Danny Broome コラプト Kurupt Ｋロー K-Ro ▲TOPへ |
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| ＜もっと詳しく＞ | |||||||||||||||||||||||||||
 ストーリー展開の前知識やネタばれがお好みでない方は、読まないで下さい。 |
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| ■映画『 ハリウッド的殺人事件 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー 私は日本公開前に字幕スーパーなしの英語で観たので、わかる範囲でレヴューします。映画データについては調査した時点と公開される時点で異なる場合があります。本作の内容については、語学力と経験・常識不足のため、間違いや勘違いや適切でない表現があるかもしれません。どうかご理解賜りますようお願いいたします。また、リンクやメールをいただく場合はここを必ずお読みくださいますように。 ▲TOPへ 【ハリウッド的殺人事件 第01段落】 警察の野外射撃実習の場で、標的に正確に弾を撃ち続ける初老の刑事ジョー・ギャヴィラン（ハリソン・フォード）。それに対し、ちっとも弾が命中しない若手の刑事Ｋ・Ｃ・コルデン（ジョシュ・ハートネット）を隣のジョーが見ていられず助っ人する。「すんません、ジョーさん。」という感じで礼を言うＫ・Ｃに、しょうがないな、という顔のジョー。こういう軽やかなイントロで始まる映画は、コミカルな展開を予想させる。ＢＧＭはラップで勢いよく明るい。 『 逃亡者 (1993) THE FUGITIVE 』 『 エアフォース・ワン (1997) AIR FORCE ONE 』 『 ホワット・ライズ・ビニース (2000) WHAT LIES BENEATH 』 『 Ｋ−１９ (2002) K-19: THE WIDOWMAKER 』等、深刻な顔で芝居をするのが多かったハリソン・フォードにはラップなんて珍しい取り合わせだ。 【ハリウッド的殺人事件 第02段落】 射撃場のシーンの後は、ロザンゼルス Los Angeles の名物、ハリウッド・サイン Hollywood Sign （ HOLLYWOOD という巨大な白い文字）が映し出されて、そこにいるようにウキウキしてしまった。そうしてクレジットが出てくるのだが、どの名前の時にも Hollywood という名のついた店舗やホテルの看板や道路標識がバックになっている。さすがタイトルの「ハリウッド」を強調していてオシャレっぽい。因みに、ハリウッド・サインはハリウッド丘陵 Hollywood Hills のリー山 Mt. Lee 側に立っており、ハリウッドの街を一望できる。逆に、ロザンゼルスをリー山に平行して車で走っていれば嬉しくもその白い文字群が見えるのだ。各文字の大きさはタテ 15 メートル、横 9 メートルもある。それが少しずつ離れて 9 文字あるから、幅は百数十メートルから二百メートルはあるのだろう。ＬＡの青い空に、よく映える。 【ハリウッド的殺人事件 第03段落】 主人公の二人、ジョー・ギャヴィランとＫ・Ｃ・コルデンは LAPD （ロサンゼルス市警）殺人課の刑事だ。上司はレオン（キース・デヴィッド： 『 ノボケイン 局部麻酔の罠 (2001) NOVOCAINE 』 『 エージェント・コーディ (2003) AGENT CODY BANKS 』等に出演）という。事件は二人が"副業"している時に起こった。副業、つまりアルバイトである。ジョーは警察勤務の傍ら不動産のブローカーをしていて、物件をさばくのに必死だ。ケータイには事件発生で出動要請の電話よりも、不動産関係の連絡ごとのほうがずっと多くかかってくる。ケータイの着メロは、ザ･テンプテーションズ The Temptations の 1965 年の大ヒット曲「♪My Girl 」のストリングスの部分のさわりだ。その音だけでも、場違いでコミカルな味を加えている。ジョーの車はキャデラック Cadillac のセダン。 【ハリウッド的殺人事件 第04段落】 また、Ｋ・Ｃは、皆、ケイシー Casey のように発音して呼んでいる。彼は警察勤め以外にヨガ yoga 教室を開いており、若い女性ばかりの生徒 20 人くらいを抱えて、月謝収入と同時にいい思いをしている。彼は若いので、いろいろな女性とベッドを共にしているプレイボーイ。女性の名前を間違えて呼んだりするヘマもする。ヨガ教室ではインドの音楽を流して神秘的に演出し、ナマステ Namaste （ヒンディ語で「こんにちは」「私の神があなたの神に挨拶する」という意味）というインドの言葉を使ったりしてエキゾチックな雰囲気をかもし出す。警察からの殺人事件の電話は、ヨガを教えている最中にかかってきた。Ｋ・Ｃはシルバーメタリックのスポーツカーに飛び乗って出動する。 【ハリウッド的殺人事件 第05段落】 この役のジョシュ・ハートネットは 『 ヴァージン・スーサイズ (1999) THE VIRGIN SUICIDES 』 『 パール・ハーバー (2001) PEARL HARBOR 』等に出演の 25 歳の若くて綺麗な俳優さんだ。 2002 年度ティーン・ピープル誌「 24 歳以下の最もイケテル俳優 25 人 Teen People's 25 Hottest Stars under 25 」に選ばれ、ピープル誌「最も美しい人々 50 人 People Magazine's 50 Most Beautiful People 」にも選ばれ、更にブリス誌で「最もセクシーな男性第３位 Bliss magazine's 3rd sexiest male 」に投票されるというモテモテ男性である。 【ハリウッド的殺人事件 第06段落】 6' 3" （約 190 cm ）という恵まれた肢体に黒髪というルックスからか、ワーナー Warner Bros. からジョシュ・ハートネットに「スーパーマン Superman 」の主役のオファーが来ている。そう言えばクラーク・ケント Clark Kent 即ちスーパーマンに似合っている容姿かもしれない。でも、出演を承諾すれば、十年で三本のスーパーマン映画という契約に拘束されるので、返事を渋っているらしい。それはそうと、どう見ても年齢を感じてしまうハリソン・フォードとパートナーを組ませては、若くて清潔感あり溌剌としているジョシュ・ハートネットの美しさが際立ってしまい、フォードには申し訳ないみたい。 【ハリウッド的殺人事件 第07段落】 さて、事件が起こったのはアフリカ系アメリカ人のたむろするハリウッドのディスコ・クラブで。ステージではライヴでヒップ・ホップやラップ等も聞かせている。ここで銃による派手な襲撃があり、ラップ歌手の四人組が射殺された。殺人課のジョーとＫ・Ｃが連絡を受けて急行すると、現場はパトカーで騒然としている。現場検証はベテランのジョーがじっくりとする。ルーキーのＫ・Ｃはそれを見て学んでいるという段階だ。おもむろにメモ帳を出せとジョーが言うので、現場の様子を筆記させるのかと思いきや、昼食のハンバーガーの注文の具についてメモを取らせ、それを平（ひら）の警官に買ってこさせる、挙げ句に買ってきたものに文句も言う、というジョー。（ちょっと無理にコミカルに演出しようっていう意図でシラケますが。でも、後半から面白くなるので我慢。） 【ハリウッド的殺人事件 第08段落】 現場検証の最中にもＫ・Ｃはヨガの格好をする。ジョーには不動産仕事のケータイが鳴って、部屋数や面積といった話を殺人現場でしているという、ノウテンキな刑事さんだ。事情を訊くそのクラブのオーナーのジュリアス・アルマス（マスターＰ）には、不動産ブローカーとしての名刺も渡して、早速商売の話も持っていくというちゃっかりした面を備えている。ジュリアスが大邸宅を購入したがっていると知って、ジョーはシメタという顔つき。こういう珍しい役をハリソン・フォードはしているのだ。 【ハリウッド的殺人事件 第09段落】 夜、バーで語り合うジョーとＫ・Ｃ。ルーキーのＫ・Ｃはまだ四ヶ月間しかジョーと組んでいないのだが、実は警察を辞めて俳優になりたいのだと言う。この時、ジョーはびっくりした顔で「お前、ゲイなのか？」というシーンがある。Ｋ・Ｃは否定するが、俳優ってそう思われているのだろうか。それを、実際の俳優に言わせるというお遊びだろうか。二人はビールやウィスキーを飲んで、すぐに駐車場から車に乗って運転するのだけど、飲酒運転の推奨になってしまいそう。警察の身分なのにこんなことしていいの？ この後、ジョーが街角で"街の女"らしきを助手席に乗せるのをＫ・Ｃは目撃して呆れる。でも実際は、ワンダ（ルー・ダイアモンド・フィリップス）と名を偽って女装している、ジョーの知り合いの囮捜査官だ（ 『 アンダーカバー・ブラザー (2002) UNDERCOVER BROTHER 』参照）。 【ハリウッド的殺人事件 第10段落】 その頃、深夜の別の駐車場ではアフリカ系アメリカ人二人が射殺され、車にガソリンを撒かれて車もろとも焼かれる事件が起きている。今日のラップ歌手殺人事件の目撃者たちが殺された模様だ。この殺し屋はリロイ・ワズリー（ドワイト・ヨーカム）といい、現在はレコード会社運営の社長となっている前科者アントワン・サーティン（イザイア・ワシントン： 『 ロミオ・マスト・ダイ (2000) ROMEO MUST DIE 』 『 ゴーストシップ (2002) GHOST SHIP 』等に出演）の手下らしい。レコード会社とラップ歌手…この殺人に何か関係ありそう。 【ハリウッド的殺人事件 第11段落】 ジョーは独り身らしく、自宅に帰ると、独り寂しくラジオのサイキック psychic の番組に視聴者として電話をかけるのを楽しみにしている。話し相手となるのは番組の主役の超能力者ルビー（レナ・オリン： 『 サイダーハウス・ルール (1999) THE CIDER HOUSE RULES 』 『 ナインスゲート (1999) THE NINTH GATE 』 『 ショコラ (2000) CHOCOLAT 』等に出演）という中年女性で、この三週間ほど前からジョーは深夜に電話するのが習慣となっている。 【ハリウッド的殺人事件 第12段落】 このルビーとジョーは男女の関係になって中年の恋も楽しんでいる。また、ジョーはクレオ・リカルド（ロリータ・ダヴィドヴィッチ）という中年女性ともつきあっていて、ジョーの私生活はそれだけなのに、警察の総務のベニー・マッコ警部補（ブルース・グリーンウッド： 『 ダブル・ジョパディー (1999) DOUBLE JEOPARDY 』 『 １３デイズ (2000) THIRTEEN DAYS 』 『 ザ・コア (2003) THE CORE 』等に出演）はジョーのリッチで優雅な暮らしを妬んでいる。何か不都合な点を見つけてジョーを蹴落とそうとしているのだ。 【ハリウッド的殺人事件 第13段落】 実際は、ジョーは不動産仕事の副収入で、恐らく離婚後の扶養料の支払いとか、不動産抵当貸付とか、物件の処分に使ったりしているのだが、裏で何か悪い事をしているのではないかと、マッコ警部補はジョーのロッカーを調べたり取調べをしたりさえする。マッコ警部補の部下は、ジャクソン（メレディス・スコット・リン： 『 キューティ・ブロンド (2001) LEGALLY BLONDE 』等に出演）というキュートな若い女性と、ジノ（トム・トドロフ： 『 ピーター・パン２／ネバーランドの秘密 (2002) RETURN TO NEVER LAND 』等に出演）という風変わりの男だ。 【ハリウッド的殺人事件 第14段落】 一方、若いＫ・Ｃはお相手が何人もいてモテ男である。今夜も女性と自宅のベッドで一晩過ごし、目覚めると、ベッド脇には父親らしき警察官の顔写真が。Ｋ・Ｃの視線の雰囲気から見て、もう亡くなっているようだ。その父を見てから、ベランダで朝の空気を胸いっぱい吸って大声で何か発声している。部屋には「欲望という名の電車 A Streetcar Named Desire 」（テネシー・ウィリアムズ Tennessee Williams 原作の戯曲）の台本が見える。やはりＫ・Ｃは役者になりたがっているのだ。 【ハリウッド的殺人事件 第15段落】 二人はサーティン・レコードの社長アントワン・サーティンに話を聞きにいった。会社ではラップの録音等をしている。サーティンはのらりくらりと話をそらしながら答えるが、殺されたラップ歌手たちはＫロー（コラプト： 『 奪還 ＤＡＫＫＡＮ アルカトラズ (2002) HALF PAST DEAD 』等に出演）とかみんな芸名で、本名も知らないとかシラを切っている。事件のアリバイはあるようなのだが、何か挙動が不審だ。 【ハリウッド的殺人事件 第16段落】 ジョーに、不動産を売却したいというオイシイ電話がかかってきた。ビバリーヒルズ Beverly Hills のお屋敷で、売主はハリウッドの元プロデューサー、ジェリー・ドレイン（マーティン・ランドー： 『 スリーピー・ホロウ (1999) SLEEPY HOLLOW 』等に出演）という立派な老紳士である。ジョーとＫ・Ｃはドレイン邸に早速行って、売却の条件等を聞く。と言っても、これは警察仕事ではないから、Ｋ・Ｃは行っても意味はない。若いメイドさんと例によって親しげにしている。そこに司法解剖に立ち会えという電話がジョーに入るが、ジョーはこっちの件で席を立ちたくないのでＫ・Ｃに行かせた。売買の相手は、ちょうどタイミングがいい、殺人現場のディスコ・クラブのオーナー、ジュリアス・アルマスに狙いを定めて仲介を進めていく。 【ハリウッド的殺人事件 第17段落】 Ｋ・Ｃは、ルーキーだからまだ解剖の現場には不慣れだ。Ｋローという殺された男の解剖の場に立ち会って、気持ち悪くなる。もっとも、この役を引き受けたのは、金曜日の夜に上演する「欲望という名の電車」をジョーが観に来てくれるという条件でだ。しかも、席が売れ残っているから、知り合いも何人か連れてきてくれと厚かましくも頼んだ。 【ハリウッド的殺人事件 第18段落】 翌朝、朝食会の誘いの電話がジョーにかかる。ビバリーヒルズの物件のドレイン氏からだ。喜び勇んで赴くと、買う側ジュリアス・アルマスの希望価格 6,000,000 ドル（＄１＝￥ 120 換算で約７億２千万円）に対して、売る側のドレイン氏の希望は 7,000,000 ドル（約８億４千万円）を譲らない。こうして、この売買は不成立に終わってしまう。ジョーはがっかりだ。 【ハリウッド的殺人事件 第19段落】 この後はロサンゼルスのベニス Venice, Los Angeles という町を舞台に、川を挟んで追いかけっこのような進展がある。あの殺人事件の関係者を取り調べる為に男を拘束すると、町外れで車から狙撃されそうになる。犯人側は、事件に鼻を突っ込んできたジョーとＫ・Ｃとその男を抹殺したいらしい。そして、その黒幕はどう見てもアントワン・サーティン社長のようだと分かる。また、どの人物か分からなかったのだが、ダニー・ブルームという役で 『 スペース カウボーイ (2000) SPACE COWBOYS 』 『 フォーン・ブース (2002) PHONE BOOTH 』等に出演のジェームズ・マクドナルドが出ている。 【ハリウッド的殺人事件 第20段落】 いろいろ調査すると、レコード会社のアントワン・サーティン社長の許には殺し屋リロイ・ワズリーが毎月、定期的に訪れている事が判明する。そして、驚いた事には、Ｋ・Ｃの父親はコカインの囮捜査中に殉職したのだが、それを射殺したのは父の相棒だったこのリロイ・ワズリーだったのだ。それを神妙に教えるジョーに、Ｋ・Ｃは悔しがって、ワズリーを殺したいともらす。ジョーはそんなＫ・Ｃをなだめる。Ｋ・Ｃは俄然、射撃の練習を熱心にし始める。また、その書類にはベニー・マッコ警部補の名も書かれていた。 【ハリウッド的殺人事件 第21段落】 ジョーはラジオの超能力の女性ルビーの自宅を訪れる。ハリウッド丘陵のオリンパス山 Mt. Olympus, Hollywood Hills にある超高級な建物である。ここで二人は大人の甘い夜を過ごすのだが、ジョーを妬むベニー・マッコ警部補は必死にジョーを落とし入れる情報を探している。すると、部下が、ジョーがルビーと恋人関係にあることを告げる。実は、ルビーは、以前はベニー・マッコの付き合っていた女性なので、マッコは嫉妬で激怒する。翌朝には、理由をつけて、ベニーの屋敷までジョーを拘束しにパトカーで向かう陰険さだ。この映画では、このベニー・マッコ警部補に扮するブルース・グリーンウッドは、気の毒なほどよくない役柄だ。 【ハリウッド的殺人事件 第22段落】 ジョーはラップ歌手殺人事件がなかなか捜査が進まないので、ルビーの超能力を借りてみることにした。ルビーは、ロデオ・ドライブ Rodeo Drive を右に曲がってサンセット・プラザ Sunset Plaza に行けばいいと、ジョーとＫ・Ｃに語った。早速、その通りに車を走らせると、ＧＦＦという高級服飾店にルビーは入ってドレスを見る。何てことないのか、と二人が思うと、この前、狙撃してきた車がすぐ目の前にいるではないか。やっぱり、ルビーの超能力は当たっていた！ 【ハリウッド的殺人事件 第23段落】 ここからカーチェイスが始まる。この映画は前半はスピードもないし、スリルもアクションもあるわけでない。このあたりから面白くなってくるのだ。椰子の木が両側に聳え立つハリウッドの美しい通りを、犯人側の黒い車とＫ・Ｃのオープンカーが勢いよくぶっ飛ばす。撮影のバリー・ピーターソン（ 『 ズーランダー (2001) ZOOLANDER 』等）が上手い。警察のヘリコプターも上空から追跡する。 【ハリウッド的殺人事件 第24段落】 黒い車には、黒幕のアントワン・サーティンと殺し屋リロイ・ワズリーが乗っている。Ｋ・Ｃのオープンカーの運転は、Ｋ・Ｃが埒があかずに、ジョーが運転を変わる。ハリウッド大通り Hollywood Boulevard の辺りで二台はクラッシュして止まった。逃げる方も追う方も二人ずつなので、Ｋ・Ｃはリロイ・ワズリーを、ジョーはアントワン・サーティンを追うことに決める。ウォーク・オブ・フェイム The Walk of Fame では、その時、丁度、ロバート・ワグナー（本人： 『 オースティン・パワーズ (1997) AUSTIN POWERS: INTERNATIONAL MAN OF MYSTERY 』 『 オースティン・パワーズ ゴールドメンバー (2002) AUSTIN POWERS IN GOLDMEMBER 』等に出演）が手形を入れるセレモニーを開始するところだった。そこを走り抜けて犯人追跡をしたＫ・Ｃが、その柔らかいセメントに足跡を残すハプニングに群集はびっくり。 【ハリウッド的殺人事件 第25段落】 因みに、ウォーク・オブ・フェイムとは、ハリウッド大通りのチャイニーズ・シアター Chinese Theater 前の歩道にある、芸能界で成功し認められたスターの手の平が名前と共にかたどられている名所である。そしてスターの名前は、ピンクの星形に刻まれ、整然とハリウッド大通りの歩道に順々に埋められている。ロバート・ワグナーの場合、その星型の住所は＜ 7021 Hollywood Blvd.＞である。ワグナーが実際にそのピンクの星型の名誉を受けたのは 2002 年 7 月 16 日であるから、この映画のシーンは本番ではなさそう。なぜなら、この映画は撮影開始が 2002 年 8 月 19 日だから。また、このシーンでは、ハリウッドの名誉市長ジョニー・グラント氏 Johnny Grant, Hollywood's honorary mayor までカメオ出演している。 【ハリウッド的殺人事件 第26段落】 このように、結構、気合入れられているハリウッド色一杯の映画で楽しい。製作総指揮は 『 ショーシャンクの空に (1994) THE SHAWSHANK REDEMPTION 』 『 タイムマシン (2002) THE TIME MACHINE 』等ののデヴィッド・Ｖ・レスター、 『 パンチドランク・ラブ (2002) PUNCH-DRUNK LOVE 』 『 チャーリーと１４人のキッズ (2003) DADDY DAY CARE 』等のジョー・ロスである。また、共同製作は 『 パッチ・アダムス (1998) PATCH ADAMS 』 『 ギャラクシー・クエスト (1999) GALAXY QUEST 』 『 アメリカン・スウィートハート (2001) AMERICA'S SWEETHEARTS 』 『 陽だまりのグラウンド (2001) HARDBALL 』 『 Ｎ.Ｙ式ハッピー・セラピー (2003) ANGER MANAGEMENT 』等のアレグラ・クレッグも名を連ねている。 【ハリウッド的殺人事件 第27段落】 この後Ｋ・Ｃは、一般人の乗ったベンツのＭＬに乗り込んでチェイスして、奥さんと幼い子供に悲鳴を上げさせる。一方、ジョーはアントワン・サーティンに地下鉄に逃げられ、少女の自転車を借りて（奪って）追跡、次はタクシーに乗って追いかける。でもタクシーには料金を払わされるし、そのレシートはしっかりもらっておく、という、チェイスなのにコミカルなアクションが続く。その最中にも不動産の件でケータイは相変わらず「♪My Girl 」が鳴る。ジェリー・ドレインとジュリアス・アルマスとの売買が成立したのだ。こんな時でも大喜びするジョー。・・・ ▲TOPへ ◆ここからは、結末まで書いていますので、ストーリー全体が分ります。御注意下さい。 ATTN: This review reveals the movie content. Please don't say that I didn't say ! 【ハリウッド的殺人事件 第28段落】 Ｋ・Ｃはリロイ・ワズリーを追い詰めて、逆に相手に撃たれそうになってしまう。「どうか撃たないで！ 父はあなたのパートナーだったのです。僕は警察を辞めようと思っているんです。だから、撃たないで！」と弱々しく懇願するＫ・Ｃ。「父さんの事は話すな。」とワズリーはつい応え、その一瞬のスキと油断とで、Ｋ・Ｃは敏速に反撃して相手の脚を撃ち抜く。こうして父の仇（かたき）を逮捕できた。仇であるが、我慢して殺さずに捕まえた。それに、ここで観客は分かった事…。Ｋ・Ｃの役者願望が、ここで芝居の上手さで花開いたのだ。さっきの台詞はテープに録音しておいたので、自白の証拠となる。やったぜ、Ｋ・Ｃ。 【ハリウッド的殺人事件 第29段落】 片や、初老の身でアントワン・サーティンを追いかけるジョーは、ビルの屋上でサーティンと取っ組み合いをしている。殴り合い、ビルとビルとの間を跳び、延々と死闘は繰り広げられる。上空では警察と報道陣のヘリコプターが何機も飛び交い、興奮して見守っている。そしてとうとう、ジョーはサーティンをビルから落として決着がついた。 【ハリウッド的殺人事件 第30段落】 ジョーは傷つきながらも、沈着な刑事としての任務を遂行したＫ・Ｃを褒める。もう、これで新米刑事さんも一皮向けて一人前になっただろう。それに、もう警察を辞めようとは言わないだろう。そこに偉そうな顔でブルース・グリーンウッドのベニー・マッコ警部補が近づくが、過去の事件の悪事が暴かれたらしく、二人の前で逮捕されていく。 【ハリウッド的殺人事件 第31段落】 舞台は変わって小劇場。「欲望という名の電車」の芝居が行われている。Ｋ・Ｃの演技はいかにも素人臭くへたくそで、客席はまばらだ。約束通りに、ジョーはルビーやジェリー・ドレイン氏を誘って観劇してあげている。平和が一番、というところだろう。そうしている間にまたケータイが鳴って、次の殺人事件が。Ｋ・Ｃとジョーの新旧コンビは今日も出動だ。・・・「♪My Girl 」の本当の歌がラストで聞けるので、ここに歌詞を載せましょう。いい歌です。 ♪My Girl I've got sunshine on a cloudy day When it's cold outside, I've got the month of may I guess you say, what can make me feel this way My girl? my girl, my girl Talking about my girl?? My girl I've got so much honey, the bees envy me I've got a sweeter song, than the birds in the trees Well, I guess you say, what can make me feel this way My girl? my girl, my girl Talking about my girl My girl? oooo Hey, Hey, Hey Hey, Hey, Hey Ooo yeah, I don't need no money Fortune or fame, I got all the riches, baby One man can claim, well I guess you say, what can make me feel this way My girl my girl, my girl Talking? about my girl? my girl Talking about my girl I've got sunshine on a cloudy day with my girl I've even got the month of May with my girl Talking about, talking about, talking about, my girl Talking about my girl That's all I can talk about is my girl 以上。 ＜もっと詳しく＞からスペースを含まず９９１４文字／文責：幸田幸 参考資料：「映画の森てんこ森」映画タイトル集 http://www.coda21.net/eiga_titles/index.htm IMDb allcinema ONLINE Nostalgia.com CinemaClock.com HOLLYWOOD HOMICIDE 公式サイト（英語版） http://www.sonypictures.com/movies/hollywoodhomicide/index.html Westlife - My Girl lyrics http://www.lyricsstyle.com/w/westlife/mygirl.html Don't Look back / THE TEMPTATIONS http://www3.cnet-ta.ne.jp/s/soul/review23.htm main-history HOLLYWOOD SIGN http://www.globalicons.com/trademarks/walkoffame/main-history.html ナマステ! http://contest.thinkquest.gr.jp/tqj2001/40497/content/index2.html Film Journal http://www.filmjournal.com/Article.cfm/PageID/25616714 WireImage: Listings http://www.wireimage.com/GalleryListing.asp?navtyp=gls=1=2=37= Walk of Fame-W http://www.hollywoodcoc.org/walkoffame/walk/w.html いつも参考にしておりますallcinema ONLINE さんには、2003年08月09日の時点で[ 解説 ]は出ていませんので、これをアップしました。Thanks to allcinema ONLINE. |
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| ■映画『 ハリウッド的殺人事件 』の更新記録 2003/08/09新規： ファイル作成 2004/12/24更新： ◆一部テキスト追記と書式変更 2005/10/05更新： ◆テキスト追記 2005/10/06更新： ◆追記 |
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| 幸田 幸 coda_sati@hotmail.com |
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