コーラス | |
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コーラス@映画の森てんこ森 | |
コーラス | |
2005年1月18日火曜日 | |
映画『 コーラス (2004) LES CHORISTES / CHORISTS 』は、アメリカ・ロサンゼルス現地時間2005年1月16日の第62回ゴールデン・グローブ賞[ドラマ][ミュージカル・コメディ部門]部門
外国語映画賞でノミネートされていたが、『
海を飛ぶ夢 (2004) MAR ADENTRO (西題) / MARE
DENTRO (伊題) / THE SEA INSIDE (英題) 』が受賞した。 映画『 コーラス LES CHORISTES 』は日本では日本ヘラルド映画が配給する。本作『 コーラス LES CHORISTES 』は、幸は2004年の9月7日に映画解説をアップした。その後映画『 コーラス LES CHORISTES 』について、フランス・パリ在住のY女史より情報をいただいた。 私の知りえない現地フランスならではの、Y女史からの情報で幣『 コーラス LES CHORISTES 』解説を更に詳しく更新した。 彼女からは、『 コーラス LES CHORISTES 』以外に、「パリの映画事情」や「ヴァンサン・カッセル」、そして私が『 ボン・ヴォヤージュ (2003) BON VOYAGE 』で気に入ったグレゴリ・デランジェール Grégori Derangère や彼が出ている映画『 レキピエ (原題) (2004) L'Equipier 』でも先日情報を提供していただいている。(※グレゴリ・デランジェールについて詳しくはここをクリック) このページでは、「Y-a-Paris 映画通信」第2号版として、Y女史の映画『 コーラス (2004) LES CHORISTES / CHORISTS 』の映画評を紹介する。 あっ!ちょっとその前に映画『 コーラス LES CHORISTES 』をご存じない読者の方には幸の簡単なあらすじを抜粋しておく。 映画『 コーラス 』はちょっとしたプロローグから始まる。 ここはニューヨーク New York の劇場の楽屋。白髪の指揮者ピエール・モランジュ(ジャック・ペラン:『 犯罪の風景 (2000) SCENE DE CRIMES (原題) / CRIME SCENES (英題) 』『 ジェヴォーダンの獣 (2001) LE PACTE DES LOUPS (原題) / BROTHERHOOD OF THE WOLF (英題) 』)は壁に貼った雑誌の表紙で分かるように、世界的に知られる有名な指揮者である。彼は邪魔されたくない気分だが、かかってきた電話をとりあえずとった。それは母親の死を告げる電話だった。そこで彼は故郷フランスへ母親の葬式で戻ることとなる。フランスでは、昔のクラスメイトのペピノ(ディディエ・フラマン:『 クリムゾン・リバー (2000) THE CRIMSON RIVERS / LES RIVIERES POURPRES 』『 ザ・レース (2002) LE RAID (原題) / THE RACE (英題) 』)と再会する。そして子供時代の寄宿学校の音楽の教師もまた亡くなったことを聞いた。・・・もっと詳しく |
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映画『 コーラス LES CHORISTES 』 フランスでの思いがけない成功とブーム |
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Y フランス・パリ在住 Y- | |
特に上映前から期待されているわけでも、すごいスターが出ているわけでも、評判の監督が作ったわけでも、制作費が一般人の頭ではピンと来ない程かかっているわけでも、配給会社のマーケティングが頑張ったわけでもないのに観客を呼ぶ映画と、鐘(金)と太鼓で何ヶ月も前から騒いでいたのに、公開してすぐに観客にそっぽを向かれる映画がある。いずれにしても何らかの形で、叩かれる事には違いは無いのだけれど...。
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コーラス (2004) LES CHORISTES ポスターはhttp://www.bibloi.com/ より引用させて頂きました。 |
C.バラチエ監督の『 コーラス Les Choristes
』は、一番目のカテゴリーに入る。 なんと、『 コーラス Les Choristes 』は成功が成功を呼んで、今や現象にまでなってしまった。 同じく、一つの現象となった『 アメリ (2001) AMELIE POULAIN / LE FABULEUX DESTIN D'AMELIE POULAIN 』は、製作中からマーケティング活動を進めて注目を集めていたし、評論家達も、誉めようが叩こうが、遅れはとっていなかった。でも、『 コーラス Les Choristes 』の評判は、口コミで広がる方が早かったので、マスコミはプライドにかけても追いつくのに必死だったと思う。 結果、上映から9ヶ月過ぎた今も、この映画『 コーラス Les Choristes 』は何かと話題になっている。 |
その結果: ・映画『 コーラス Les Choristes 』効果その1: バラチエ監督とジェラール・ジュニョは、何かと引っ張り出された。 ・映画『 コーラス Les Choristes 』効果その2: いつもショッピングを促す為に、賑やかなBGMが流れるスーパーマーケットにも、『 コーラス Les Choristes 』の主題歌が流れた。買い物をする速度が緩やかになったかもしれない。 ・映画『 コーラス Les Choristes 』効果その3: それまででも地道に広まっていた、アマチュア・コーラス・グループがクローズ・アップされて、テレビでは、特別ショーまで組まれた。 ・映画『 コーラス Les Choristes 』効果その4: クリスマスには、少年少女合唱団が歌うクリスマス・ソングのCDが流れた。 ・映画『 コーラス Les Choristes 』効果その5: ソリストのジャン・バチスト・モーニエ君は、いきなりアイドルになり、ラブレターの山が送られ続けていると言う。「今までもらった事なんかなかったよ。」 ・映画『 コーラス Les Choristes 』効果その6: 又、彼がいる“Petits chanteurs de St. Marc”が歌う日の教会のミサは、満員になった。 ・映画『 コーラス Les Choristes 』効果その7: 加えて彼は、2004年度、10才〜14才の子供達が選ぶ“L’enfant de l’année”にトップで選ばれ、それよりも問題意識が高い中・高生が選ぶ“Ado de l’année”にも、暴力や虐待の犠牲になった少年少女に続き、第3位に選ばれた。 ・映画『 コーラス Les Choristes 』効果その8: 社会心理学者までが意見を述べている。 ・映画『 コーラス Les Choristes 』効果その9: 今年のゴールデン・グローブ賞とオスカー賞のフランス代表に選ばれた。 ・映画『 コーラス Les Choristes 』効果その10: 以下に『 コーラス Les Choristes 』の成し遂げた功績を数字データで見てみる。 2004年、フランスの人口は、現在6千万人強。フランスのスクリーン数は、大小含め全部で5300で、『 コーラス Les Choristes 』の占めた数値は? ■2004年映画観客数トップ3 1.『 コーラス (2004) LES CHORISTES / CHORISTS 』・・・857万人 2.『 シュレック2 (2004) SHREK 2 』・・・714万人 3.『 ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 (2004) HARRY POTTER AND THE PRISONER OF AZKABAN 』・・・713万人 ■2004年フランス映画トップ3 1.『 コーラス (2004) LES CHORISTES / CHORISTS 』・・・857万人 2.『 ロング・エンゲージメント (2004) UN LONG DIMANCHE DE FIANCAILLES (原題) / A VERY LONG ENGAGEMENT (英題) 』・・・観客数433万人 3.Le Podium ■2004年12月現在、 『Les Choristes』のCD販売数は、100万枚突破。 『Les Choristes』のDVDは、200万枚を突破。なお、発売(10月27日)後、24時間で35万枚売れた。 そんなわけで、映画『 コーラス Les Choristes 』について、いろんな人がいろんな批判・意見を出している...。 1. 1945年製作J・Dreville監督の秀作“Cage aux rossignoles”の焼き直しに過ぎない! 2. ファミリー・アフェアー!(製作のJ・ペランはバラチエ監督の伯父(叔父)。ペピノの子供時代を演じているのは、ペランの息子のマクサンス) 3. ピーター・ワイラー監督の『今を生きる』とは比べ物にならない! 4. シナリオは、『ニュー・シネマ・パラダイス』と同じ運びだが、感銘度は下! 5. お涙頂戴物で、金儲け! 6. 結局、モラルも、問題提示もない! 7. ノスタルジーをくすぐって成功した映画 8.. 社会的、及び、階層的見地から見て...云々 私的には、“bon,et alors...!?(で、だから、どうだっての?)”。 1に関しては、バラチエ監督自身が言っているし、2に関しては、ペランがいたから製作出来たのだし、マクサンスのペピノはおどろくほど自然だし、3・4は、比較する物がなければ意見ができない.... 他人の褌で相撲を取って金を稼いでいる人達が、果たして、どこまで正しいのか?何にせよ、評論家の言う事を鵜呑みにしたり、制作側の知名度で善し悪しを計った結果、自分なりの見方を潰したり恥じたりするのは、よくないと思う。所詮、映画は人に見せる為にあって、見ると選んだ以上、結果がどうであれ、見た側の気持ち次第だと思っている。逆に、こういう意見だの数字だのが、見る前に何らかの形で眼鏡をバラまいてしまったら、淋しい限りだ。 映画『 コーラス Les Choristes 』は、何かをひっくり返す程、すごい映画ではないと思うし、必要以上にアーだのコーだの言うべき映画では無いと思う。構えないで見た方がいい。 ただ、映画『 コーラス Les Choristes 』に見る、前歯の欠けた笑顔や、どうしようもない音痴や、透き通った歌声や、なんのマークもついていないずり落ちたソックスが、CG画像やスーパーヒーロー達や暴力やスポンサーの名前が溢れる映画に慣れてしまった私達の目と耳に、何かを与えてくれるなら、それはそれで何かの意味があるのではないだろうか? (Texte par Y) |
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以上。Y女史の許諾を得て掲載。 ▲TOPへ |
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参考資料:「映画の森てんこ森」映画タイトル集 http://www.coda21.net/eiga_titles/index.htm IMDb allcinema ONLINE Nostalgia.com Mars Distribution CinemaClock.com シネムービー/Yahoo! allocine.com <http://www.allocine.fr/> |
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Text by Sati |
coda21「映画の森てんこ森」幸田幸。 coda_sati@hotmail.com |
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