ジョンQ−最後の決断−
表紙目次読む映画試写会レヴュー観たい度映画予告編エッセイ日誌試写会情報リンク集
映画人解説・レヴュー一覧表映画ゲーム思い出映画ブロードバンド(B)版旅行の森てんこ森
映画の森てんこ森■読む映画試写会■映画レヴュー
ジョンQ−最後の決断− (2002)
JOHN Q
 映画『 ジョンQ−最後の決断− (2002) JOHN Q 』をレヴュー紹介します。

 映画『 ジョンQ−最後の決断− JOHN Q 』を以下に目次別に紹介する。
■映画『 ジョンQ−最後の決断− JOHN Q 』の解説及びポスター、予告編
 ネタばれをお好みでない方はこの解説をご覧下さい。
■映画『 ジョンQ−最後の決断− JOHN Q 』の映画データ
■映画『 ジョンQ−最後の決断− JOHN Q 』の主なキャスト
■映画『 ジョンQ−最後の決断− JOHN Q 』のスタッフとキャスト
■映画『 ジョンQ−最後の決断− JOHN Q 』の<もっと詳しく>
 <もっと詳しく>は映画『 ジョンQ−最後の決断− 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー(あらすじとネタバレ)です。※ご注意:映画『 ジョンQ−最後の決断− (2002) JOHN Q 』の内容やネタバレがお好みでない方は読まないで下さい。
■映画『 ジョンQ−最後の決断− JOHN Q 』の結末
■映画『 ジョンQ−最後の決断− JOHN Q 』の更新記録

>>
「映画解説・レヴュータイトル一覧表」へ(画面の切り替え)
幸の鑑賞評価: 8つ星 
■映画『 ジョンQ−最後の決断− (2002) JOHN Q 』の解説及びポスター、予告編
ジョンQ−最後の決断−
ジョンQ−最後の決断−
Links:  Official Web Site
Trailers:  Quick Time 4.3Mb
Quick Time 19.5Mb
■映画『 ジョンQ−最後の決断− 』の解説

 映画『 ジョンQ−最後の決断− (2002) JOHN Q 』主演のデンゼル・ワシントンは「トレーニング・デイ」で第74回(2001年対象)アカデミー賞最優秀主演男優賞を遂に受賞。『 ジョンQ−最後の決断− 』はその受賞後1作目で、全米公開は大ヒット。親子愛や医療と保険問題等にアメリカ人は相当感情移入して興奮したようだ。また、アフリカ系アメリカ人の男優がオスカーを手にしたのは、第36回(1963年対象)「野のユリ」のシドニー・ポワチエに次いで、たった二人目、 38 年ぶりの快挙。
 『 ジョンQ−最後の決断− 』では、心臓移植しか生きる道がないと診断され、保険も下りなくて我が子の手術費用を捻出できないブルーカラーの父親が、病院の救急病棟に人質をとって篭城、息子の命の為なら我が身をも惜しまない。この社会性も娯楽性も豊富な作品『 ジョンQ−最後の決断− 』は先ずダスティン・ホフマン(『 ムーンライト・マイル (2002) MOONLIGHT MILE 』)が気に入って出演を希望したが、マスコミとの交渉を自らするという内容に脚本の変更を望んだため、製作側の意図と折り合いがつかず、数年間は『 ジョンQ−最後の決断− 』の映画化は宙に浮いていた。それがデンゼル・ワシントン主演決定で『 ジョンQ−最後の決断− 』は実現したという経緯がある。
●スチルはnostalgia.com、予告編はcinemaclock.comより許諾をえて使用しています。
Filmography links and data courtesy of The Internet Movie Database & Nostalgia.com.
Filmography links and data courtesy of CinemaClock Canada Inc.
▲TOPへ
■映画『 ジョンQ−最後の決断− (2002) JOHN Q 』の映画データ
 上映時間:118分
 製作国:アメリカ
 公開情報:ギャガ=ヒューマックス
 アメリカ初公開年月:2002年2月15日
 日本初公開年月:2002/秋
 ジャンル:ドラマ/サスペンス
▲TOPへ
■映画『 ジョンQ−最後の決断− (2002) JOHN Q 』の主なキャスト
●デンゼル・ワシントン as ジョン・クインシー・アーチボル
マーシャル・ロー (1998) THE SIEGE
ボーン・コレクター (1999) THE BONE COLLECTOR
きみの帰る場所/アントワン・フィッシャー (2002) ANTWONE FISHER
タイムリミット (2003) OUT OF TIME
『 マイ・ボディガード (2004) MAN ON FIRE
クライシス・オブ・アメリカ (2004) THE MANCHURIAN CANDIDATE
インサイド・マン (2006) INSIDE MAN
▲TOPへ
【『 ジョンQ−最後の決断− 』のスタッフとキャスト】
監督: ニック・カサヴェテス Nick Cassavetes
製作: マーク・バーグ Mark Burg
    オーレン・クールズ Oren Koules
製作総指揮: マイケル・デ・ルカ Michael De Luca
    アヴラム・ブッチ・カプラン Avram Butch Kaplan
    リチャード・サパースタイン Avram 'Butch' Kaplan
脚本: ジェームズ・カーンズ James Kearns
撮影: ロジェ・ストファーズ Rogier Stoffers
音楽: アーロン・ジグマン Aaron Zigman

出演: デンゼル・ワシントン Denzel Washington ジョン・クインシー・アーチボルド
    キンバリー・エリス Kimberly Elise デニース・アーチボルド
    ダニエル・E・スミス Daniel E. Smith マイク・アーチボルド
    ロバート・デュヴァル Robert Duvall シカゴ市警警部補フランク・グライムズ
    ジェームズ・ウッズ James Woods 心臓外科医レイモンド・ターナー
    アン・ヘッシュ Anne Heche ホープ記念病院長レベッカ・ペイン
    レイ・リオッタ Ray Liotta 警察本部長モンロー
    エディ・グリフィン Eddie Griffin レスター
    デヴィッド・ソーントン David Thornton ジミー・パランボ
    ショーン・ハトシー Sean Hatosy ミッチ
    ケヴィン・コナリー Kevin Connolly スティーヴ・マグワイア
    ポール・ヨハンセン Paul Johansson 放送局長タック・ラムプレー
    ヘザー・ウォールクィスト Heather Wahlquist ジュリー・バ−グ
    ロン・アナベル Ron Annabelle 牽引トラック運転手

▲TOPへ
<もっと詳しく>

ストーリー展開の前知識やネタバレがお好みでない方は、読まないで下さい。
■映画『 ジョンQ−最後の決断− 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー
 私は日本公開前に字幕スーパーなしの英語で観たので、わかる範囲でレヴューします。映画データについては調査した時点と公開される時点で異なる場合があります。本作の内容については、語学力と経験・常識不足のため、間違いや勘違いや適切でない表現があるかもしれません。どうかご理解賜りますようお願いいたします。また、リンクやメールをいただく場合はここを必ずお読みくださいますように。
▲TOPへ

【ジョンQ−最後の決断− 第01段落】  森林の間のフリーウェーを疾走する一台の白いBMW。この映画は主演がデンゼル・ワシントンだから、製作者のシャレで、もじって"森林の州"ワシントン州(『 ワイルド・タウン/英雄伝説 (2004) WALKING TALL 』参照)かな、なんて先ず思ってしまった。実際はカナダのアルバータ州らしいが。アヴェ・マリアの荘厳な歌と音楽が流れる。緩いカーブで大きなトラックを追い越そうとしているその白いBMW。運転は若い白人女性だ。そこに、前方からも大きなトラック。あっ、BMWはかわすことも出来ず、激突。衝突直前の女性の無力の表情が印象的…。

【ジョンQ−最後の決断− 第02段落】  舞台は変わってイリノイ州シカゴのこじんまりした家。ジョン・クインシー・アーチボルド(デンゼル・ワシントン)と妻デニース(キンバリー・エリス)が寝ていると、通りに駐車した妻のステーション・ワゴンがレッカー車に引っ張られていった。どうも月賦の滞納とかの金銭の問題のためらしい。

【ジョンQ−最後の決断− 第03段落】  ジョンはニックネームがジョンQ、つまりファーストネームにセカンドネーム Quincy の頭文字をつけたもの。これが映画の題名『 ジョンQ−最後の決断− 』になっている。ジョンは煙突が立ち並び火花と鉄粉が飛び交う鉄鋼工場に勤めているごく普通の労働者。彼は最近、社内で半リストラともいえるパートタイム扱いになっており、金回りには苦労しているのだ。妻もスーパーでパートタイマーを始めて間もない。二人は決して裕福ではないが、一人息子マイク(ダニエル・E・スミス)を囲んで幸せいっぱい。

【ジョンQ−最後の決断− 第04段落】  息子マイクは劇中、愛称マイキーとか本名マイケルとかでも呼ばれている。9歳で、愛嬌もあって活発な、両親に溺愛されている野球とフィギャー集め好きの男の子。父ジョンは愛車のピックアップでマイクを学校に送る。"行ってらっしゃい""行ってきます"は Good-by. ではなく See you later. だよね、と言い合う仲の良い父と息子だ。

【ジョンQ−最後の決断− 第05段落】  地元の少年野球大会で応援しているジョンとデニースの夫妻や同僚のジミー・パランボ(デヴィッド・ソーントン:
スウェプト・アウェイ (2002) SWEPT AWAY
きみに読む物語 (2004) THE NOTEBOOK 』)夫妻。ジョンは Orioles と書かれたオレンジ色のTシャツを着ている。調べてみたらシカゴは Chicago Cubs 、 Chicago White Sox 、 Chicago Reds で、 Orioles は Baltimore Orioles なのだそうだ。息子マイクの打順がきた。声援の中、ヒットしてマイクは塁を周って走っている時、突然目を向き痙攣を起こして倒れこんだ。驚いた両親は血相を変えて、即座にホープ・メモリアル病院へと息子を運ぶ。救急病棟(ER)に運び込まれたマイクは息をしていない、非常に緊迫した状態だ。最高血圧が 70 を割ったら危ないらしい。

【ジョンQ−最後の決断− 第06段落】  医局で院長と医師の説明を聞くジョンとデニースの夫妻。院長は Dr. レベッカ・ペイン(アン・ヘッシュ:
私は「うつ依存症」の女 (2001) PROZAC NATION
バース (2004) BIRTH 』)という冷静で知的な感じの 30 歳くらいの女性。医師はレイモンド・ターナー(ジェームズ・ウッズ:
ヴァージン・スーサイズ (1999) THE VIRGIN SUICIDES
ノースフォーク (原題) (2003) NORTHFORK 』)という中年の心臓外科医。二人の説明によると、マイクは心臓に大きな欠陥があり、心臓移植をしなければ遅かれ早かれ死ぬという残酷なものだった。何もしなければ、毎日眠る時間がだんだん長くなり、ある日、眠って二度と目を覚まさないというのだ。あまりの突然のことで泣き喚いて嘆くジョン夫妻。数ヶ月かもしれないし、数週間かもしれないし、数日かも…。手術をしないのならば、今のうちに楽しい思いをさせて「さよなら」を言っておいた方がいいだろうと、医師達は言うのだ。

【ジョンQ−最後の決断− 第07段落】  勿論、ジョン夫妻は心臓移植を頼む。しかし、心臓移植手術には $250,000 (約 3,000 万円)、しかも「レシピエント・リスト」(移殖待機者名簿)に載せるだけでも $75,000 (約 900 万円)を現金で前払いしなければならないという説明である。高額なことに圧倒されながらも、ジョンは医療保険があるから大丈夫だと先ずは楽観視する。息子が生きるか死ぬかという場面でこんな金銭の話をするなんて!と妻デニースは嫌がるが、ペイン院長は冷静な顔で、お金は必要なものですと言い切る。 Dr. ペインは Payne という綴りだが、<痛み>の pain と発音が同じなのが、病院の話として何とも皮肉。

【ジョンQ−最後の決断− 第08段落】  早速、前払い金の支度を始めるジョンだが、思いもつかぬ厚い壁に阻まれる。鉄鋼工場では、自分ではフル・タイムのつもりだがパート・タイム扱いに変更になっており、その為、保険の下りる額が非常に小さい。それに、保険といっても該当する病気とそうでないものがあり、マイクの心臓欠陥の手術は保険で全額を賄えないと知る。妻もスーパーでパートだから、保険はないようだ。前途真っ暗になったジョン夫婦は、自宅の家具や妻のなけなしのダイヤの指輪を売って、少しでもとお金集めに奔走する。また、知り合いの人々は温かくカンパもしてくれる。$4,135 、 $16,585 というように、お金は少しずつ増えていく。しかし、"スズメの涙"的増え方では必要な額には程遠い。

【ジョンQ−最後の決断− 第09段落】  そうしている間にマイクの血圧は 54-24 、 50-24 と低下を続け、意識も朦朧となっていく。病院からは必要額の支払いがないから出ていくように言われたと、妻デニースは夫ジョンに大泣きして電話をかけてくる。昨日 $22,000 ( 300万円足らず)を支払ったから大丈夫だとジョンは妻に安心させようとするが、それでは金額が少なすぎてダメなのだ。怒ったジョンは病院に赴き、息子をドナー待ちのリストに載せるように担当の心臓外科医 Dr. ターナーに詰め寄るが、埒があかない。ジョンは Dr. ターナーを拳銃で脅し、ERに立て篭もった。このシーンでのジョンの扮装は、いかにも労働者という感じで、社会の上層部に位置する医師達と対照させている。

【ジョンQ−最後の決断− 第10段落】  ERには医師、看護婦、いろいろな患者たちがいて、ジョンは彼らを人質にした。怯える顔々、泣き喚く赤ん坊、お腹をおさえる妊婦の夫妻。ここからは、ハイジャックの映画等でよく見られる人質同士の本音の暴露や人質達の心の動き。最初は"犯人"ジョンを怖く、悪人と思って怯え、パニックに陥るが、ジョンの人間性、父親愛を見ていくうちに、情が移っていく。救急車で運び込まれた銃で撃たれた男の緊急手術を心臓外科という畑違いの Dr. ターナーに無理やりさせて、お互い信頼関係が出て来たり、妊婦や赤ん坊連れのヒスパニック女性を先に解放して感謝されたりして、人質達と"犯人"は一種独特の雰囲気のコミュニティと化した。

【ジョンQ−最後の決断− 第11段落】  病院の外は警察と野次馬でごった返している。到着したシカゴ市警警部補のフランク・グライムズ(ロバート・デュヴァル:
ワイルド・レンジ 最後の銃撃 (2003) OPEN RANGE
ウォルター少年と、夏の休日 (2003) SECONDHAND LIONS 』)はこの手の犯罪で交渉人(
交渉人 (1998) THE NEGOTIATOR 』参照)をしているベテランの穏やかで人間味のある初老の男。苗字のグライムズ Grimes は、警察側の人間なのに<犯罪>の crimes と1字違いで、これもまた製作陣のシャレかな。また、実生活でもロバート・デュヴァルは 1960 年から百本近く映画出演している映画界の大ベテランだ。ERで人質をとって篭城している"犯人"と無線で話したグライムズ警部補は、「フランクと呼んでくれ」と犯人を興奮させないように語り、ジョンは「ジョンQだ」と名乗る。そして望みはただ一つ、息子の名前をドナー待ちのリストに載せてくれ、とジョンは熱く要求する。

【ジョンQ−最後の決断− 第12段落】  周囲の警察官達は、犯人の目的が親として息子を救いたいという望みであって、凶悪犯ではないとわかったからか、冗談を言い合って大笑いしたりして、緊迫感がない。また、何百人と集まった野次馬達もまた、ジョンの篭城の意味を知って父親愛に心打たれ、ジョンをヒーロー扱いし始めていた。そこに、いっこうに犯人逮捕に進展しない事に痺れをきらした警察本部長モンロー(レイ・リオッタ:
ハンニバル (2001) HANNIBAL
NARC ナーク (2002) NARC
“アイデンティティー” (2003) IDENTITY 』
コントロール (2004) CONTROL
)が現地に到着して、グライムズ警部補にとって代わって指揮をとり始める。このモンロー本部長はルックスもちょっとくどくて、観客に好まれないように配役しているのは明らか。モンロー本部長はグライムズ警部補の反対もきかずにSWAT(狙撃隊:
S.W.A.T. (2003) S.W.A.T. 』参照)投入という強攻策に出る。病院の設計図から、ERへのエアダクトを伝って犯人狙撃という計画だ。

【ジョンQ−最後の決断− 第13段落】  一方、病室では、マイクはいよいよ弱り、隣のベッドでは牧師が危篤の少女の最後のお祈りをしている。そして少女は死亡し、泣き崩れる親を目の当たりにして、他人事ではないマイクの母デニース。しかし、いい知らせが届く。院長の Dr. ペインは、ジョンの身体を張った行動と夫妻の切望に応え、ドナー待ちのリストにマイクの名を載せたのだ。でも…そんなにいい事が簡単に実現するわけないのだ。モンロー本部長は犯人ジョンQの妻デニースに、ERの中にいる夫ジョンに、その旨を電話をかけさせる。これには策略があった。警察側からモニターを通じて犯人の姿がよく見える位置にある電話にかけさせたのだ。そして実際、電話で話しているジョンの姿はモニターに映し出され、エアダクトからSWATが銃口をジョンに向けている。

【ジョンQ−最後の決断− 第14段落】  ダスティン・ホフマンがジョンQの役を望んだのに実現しなかったのは、労働者であるジョンQがマスコミに直接交渉するという現実性のない脚本に変更したかったからだと言われている。なるほど、インテリでもない普通の労働者がそんなことをできる筈はないのだもの。製作側はその点でホフマンの希望を飲めなかったのだ。TV局はジョンに対する世間のヒーロー視を大衆扇動の道具に利用し、現場で特集を組んで大張り切り。そして、モニターでジョン夫妻の泣き笑いの電話のやり取りの映像と音声を全国に流す。"ドナー待ちのリストには載せてもらった、でも、マイクはもう死にそうなの…。"親子愛に打たれた大衆はますますジョンを英雄視し、頑張れというエールを皆が送っている。そこにSWATが狙撃したのでは、話があまりにも盛り上がりすぎるし、世間の反発を食らうだろう。そんな時、電話のやり取りをTVで流されていると気付いた人質の一人がジョンに教え、ジョンは怒る。と同時に、SWATに狙撃された!・・・

▲TOPへ

◆ここからは、結末まで書いていますので、ストーリー全体が分ります。御注意下さい。
 ATTN: This review reveals the movie content. Please don't say that I didn't say !


【ジョンQ−最後の決断− 第15段落】  これでお仕舞いかと思ったモンロー本部長だが、ジョンは左腕を撃たれただけだった。ジョンは狙撃手を逆につかまえて病院前に現れ、病気の息子を救いたいだけだと訴える。そして、リストには載ったけれど、適合するドナーにいつ巡り合えるか解らないわけだから、凄い決断をするのだ。<自分の心臓をとって息子の身体に入れてくれ。>これにはみんな仰天する。人質の一人である心臓外科医 Dr. ターナーは、移植というのは複雑困難なものであって、様々な検査も必要であるから、そんな容易には出来ないことをジョンに言い聞かせるが、ジョンは本気。 Dr. ターナーはジョンの意志の強さに負けて、血液型を訊く。B+だ。マイクの血液型と一致。移植は成り立つ。ジョンは"新しい心臓を買ってくれた?"とささやく息子に別れを告げる。"うん、買ったよ。お母さんの言うことをよくきくのだよ。お母さんに I love you. と毎日言うんだ。やりたいことはやって、お金を儲けなさい。お金があれば何でもできるから。煙草を吸ってはダメだ。人に親切にしなさい。お父さんはお前から決して離れないよ。いつもお前のそばにいるよ。可愛い子…。"

【ジョンQ−最後の決断− 第16段落】  そして、別室でピストルで自分を撃つ支度にかかる。人質達は全員解放された。外は大歓声。ジョンQのふりをした別人がコートを頭から被ってパトカーに連行される。ジョンの顔を知っているグライムズ警部補はその男と目を合わせるが黙っている。ジョンの意志を尊重して万事が済むまで見逃すのだろう。

【ジョンQ−最後の決断− 第17段落】  冒頭の森林地帯での交通事故がやっとここで繋がった。衝突され破壊したBMWの周りで警察隊が黙々と事後処理している。車は牽引車(ロン・アナベル:
アンダーカバー・ブラザー (2002) UNDERCOVER BROTHER
リクルート (2003) THE RECRUIT
ラブ・スクール (2003) HOW TO DEAL
ドーン・オブ・ザ・デッド (2004) DAWN OF THE DEAD 』)にひかれ、ヘリコプターが飛び立つ。そう、この亡くなった女性がドナーになるのだ!ホープ・メモリアル病院のFAXに、マイク・アーチボルドにドナーが決まったという連絡が入った。ドナーは 26 歳の白人女性。肝臓・腎臓・肺臓・心臓の摘出OK。血液型B+。ジョンの自殺を止めなければならない。医師は必死にジョンの元に走る。果たして間に合うのだろうか…。

【ジョンQ−最後の決断− 第18段落】  3ヶ月後。もう冬である。グライムズ警部補に手錠をかけられ背広姿のジョンが裁判の場に現れる。あの時、間に合ったのだ。生きていた。ここではジョンは背広でキメて、立派に見える。デンゼル・ワシントンはやっぱり背広姿が一番綺麗だ。
ボーン・コレクター (1999) THE BONE COLLECTOR 』や
マーシャル・ロー (1998) THE SIEGE 』でも、衣装の違いで綺麗にもキタナクにも見えるから、俳優というのは不思議なものだ。裁判では、殺人未遂に関しては<無罪>、人質監禁に関しては<有罪>と判決が出た。全部無罪でなくてちょっとがっかりだが、世論はジョンQの味方。ジョンは英雄だ。グライムズ警部補もジョンの人間性を知っていて優しい眼差し。警察の車で連行されていく父親に、健康になっているマイクは Good-by. と言うが、ジョンは微笑んで See you later. だよ。------こういう物語です。

以上。
<もっと詳しく>からスペースを含まず6317文字/文責:幸田幸

参考資料:「映画の森てんこ森」映画タイトル集
       http://www.coda21.net/eiga_titles/index.htm
      IMDb
      allcinema ONLINE
      Nostalgia.com
      CinemaClock.com
      ジョンQ−最後の決断− 公式サイト(英語版)
       http://www.iamjohnq.com/index_flash.html
■映画『 ジョンQ−最後の決断− 』の更新記録
2002/09/06新規: ファイル作成
2005/01/03更新: ◆一部テキスト追記と書式変更
2005/04/29更新: ◆データ追加
2005/10/06更新: ◆追記
2006/05/20更新: ◆リンク追加
▲TOPへ
幸田 幸
coda_sati@hotmail.com
「映画の森てんこ森」へ 「旅行の森てんこ森」へ
映画解説・レヴュータイトル一覧表
映画の森てんこ森 バナー03

映画の森てんこ森 coda21幸田幸 クレジット バナー01
幸のイタリア各都市情報へ
旅行の森てんこ森 バナー03
136x70
本サイトの作文、データ及び画像などのコンテンツの無断転用はお控え下さい。
貴サイトへの御掲載についてはメールにてお知らせ頂ければ幸いです。
© 2002-2005 Sachi CODA at Eigano-Mori Tenko-Mori, CODA21. All Rights Reserved.