未来世紀ブラジル | |
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未来世紀ブラジル@映画の森てんこ森(シャイな幸の独り言) | |
未来世紀ブラジルって? | |
2004年08月10日火曜日 | |
映画『 未来世紀ブラジル (1985) BRAZIL 』を、遅ればせながら、詳しく数回観た。『
未来世紀ブラジル 』についてのスタッフやキャストなどの詳しい映画データは、読む映画試写会『 未来世紀ブラジル (1985) BRAZIL 』レヴューに紹介してある。 ここでは、『 未来世紀ブラジル 』の幸の感想を書く。 ■映画『 未来世紀ブラジル (1985) BRAZIL 』の感想(ネタバレしてます。画面切替) 話の流れ上、当然ネタばれを含みますので、十分ご注意下さい。ATTN: Please stop reading here because my review reveals the movie content. 以下の目次は、読む映画試写会『 未来世紀ブラジル (1985) BRAZIL 』の詳しい映画情報です。 ■映画『 未来世紀ブラジル (1985) BRAZIL 』の主なスタッフ(画面切替) ■映画『 未来世紀ブラジル (1985) BRAZIL 』の主なキャスト(画面切替) ■映画『 未来世紀ブラジル (1985) BRAZIL 』のストーリー(ネタバレしてます。画面切替) ※ご注意:『 未来世紀ブラジル (1985) BRAZIL 』の内容やネタばれがお好みでない方は読まないで下さい。 |
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■映画『 未来世紀ブラジル (1985) BRAZIL 』の感想(※注意:ネタバレしてます。) | |
※ATTN: This review reveals the movie content.
Please don't say that I didn't say
! 【未来世紀ブラジル 感想第01段落】 本作『 未来世紀ブラジル (1985) BRAZIL 』は、テリー・ギリアム監督の有名な作品だ。テリー・ギリアム監督の作品は、この『 未来世紀ブラジル (1985) BRAZIL 』の他に、『 ブラザーズ・グリム (原題) (2004) THE BROTHERS GRIMM 』、『 バンデットQ (1981) TIME BANDITS 』、『 バロン (1989) THE ADVENTURES OF BARON MUNCHAUSEN 』、『 フィッシャー・キング (1991) THE FISHER KING 』、『 12モンキーズ (1995) TWELVE MONKEYS 』、『 ラスベガスをやっつけろ (1998) FEAR AND LOATHING IN LAS VEGAS 』等がある。 |
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(c) 1986 Embassy International Pictures, B.V. 未来世紀ブラジル (1985) BRAZIL |
本作『 未来世紀ブラジル (1985) BRAZIL
』という風変わりなタイトルの原題名“ BRAZIL ”は、テリー・ギリアム監督がウェールズにあるポート・タブロット
Port Talbot, Walesという鉄鋼の町を訪れた時に得たインスピレーションから生まれたそうだ。鉄と埃で灰色に覆われた町は、ビーチも黒い。しかし、そこで見た夕陽は素晴らしく美しかった。テリー・ギリアム監督は、♪
BRAZIL♪のような逃避主義的ラテン音楽が流れるポータブル・ラジオを持ってこの薄汚い海岸に座っている男をイメージしたらしい。映画『
未来世紀ブラジル (1985) BRAZIL 』では、テリー・ギリアム監督とスタジオ・プロデューサーの間で色々トラブルがあったそうで、この一瞬意味不明の題名の決定でももめた様だ。また、『
未来世紀ブラジル (1985) BRAZIL 』のエンディングも、分かりやすいハリウッド的なものを望むプロデューサーは気に入らず、変更が加えられたそうだが、ギリアム監督が映画との関わりを否定する恐れが出てきたので、公開された映画やヴィデオは監督が本質的に意図したもののようになっているみたい。 |
【未来世紀ブラジル 感想第02段落】 『 未来世紀ブラジル (1985) BRAZIL 』は、近未来を描いていてレトロっぽい、過ぎ行く時間の中でアナクロ(時代錯誤)的でありながら印象的な時代の中で今昔を通してありえる管理社会の憂き目。 会社の上司の方からうかがった、バブルの昔の頃、とある会社の社内紛争で失脚されたある管理職の方の話を思い出した。レトロな雰囲気の未来を描いた『 未来世紀ブラジル (1985) BRAZIL 』は、 20 世紀のどこかについての話だから、 21 世紀の今から考えると過去のお話になってしまった。しかし、ブラックユーモアで描かれる、管理社会・記号社会のアレゴリーは、 1985 年の未来である 21 世紀現在でも十分通用している。『 マトリックス (1999) THE MATRIX 』『 マトリックス リローデッド (2003) THE MATRIX RELOADED 』『 マトリックス レボリューションズ (2003) THE MATRIX REVOLUTIONS 』で描かれたテーマと似ているところがあると思う。しかも、爆弾テロの横行〔映画の爆弾テロは情報省当局によるヤラセっぽい感があるけど。〕については、未来が現実になっていると思う。 【未来世紀ブラジル 感想第03段落】 管理社会・記号社会の申し子であるサム・ローリーは、今の若者に似ている。マザコンで、自分が何がしたいのか分からなくて、現実感のない空想家で、楽していたい。また、サム・ローリーは野心はなくてもエリート官僚である。サムが夢の中でサムライと戦ったように新興勢力の国の脅威と戦い(映画公開の 1985 年は、日本のバブル経済につながった“プラザ合意”がなされた年。因みに現在、世界経済の新興勢力と考えられているのは、BRICs 。ブラジル Brazil 、ロシア Russia 、インド India、中国 China だ。やっぱりブラジル?)、ジルを追って飛び立とうとするサムの足を掴む記録局上司カーツマンの夢を見たように、昇進に対して元の課の上司に気を遣い、ライムと机を取り合ったように、ポストを競い合う。ジャックのように上司に言われれば、妻の名前も変えてしまえるほど、おバカに成りきれれば、サムもこの社会で生き残れたのかもしれないが、自由を愛する暖房修理技術者タトルの影響を受け、夢の女性ジルを実際に見つけてから、少しずつサムに人間らしいところが取り戻されてくる。 【未来世紀ブラジル 感想第04段落】 高級レストランでは爆弾テロにお構いなしで食事を続けていたのに、デパートでのテロでは被害者を救済するようになり、バトル夫人に事務的なことしか感じなかったのに、良心の呵責を感じて夢や幻を見るようになったりするほど、サムの心に少しずつ変化が起きる。夢の中で戦国武将のサムライと戦った時、倒した侍がサム自身だったのは、体制側の無機質な歯車の一つに過ぎなかった自己から覚醒した瞬間だったのかなと思う。『 マトリックス (1999) THE MATRIX 』でネオがモーフィアスからマトリックスについての話を聞かされたときのように。 【未来世紀ブラジル 感想第05段落】 しかしながら、【未来世紀ブラジル 第46段落】〜【未来世紀ブラジル 第48段落】が、拷問の苦しさを避けるためのサムの幻想であることはハッキリとしているけど、初めっから管理・記号社会でノイローゼになったエリート青年サムの幻想であったともいえるような気がする。(それともヘルプマン氏と母親の関係を苦にしてノイローゼに?もしかして実の父親はヘルプマン氏?なんちゃって。)心の底では自由に生きたいと願うサムが夢の中で見る理想の女性は、若かりし日の母親の姿。(超マザコン!)そんな女性が現実に現れることなんてありそうにないし、【未来世紀ブラジル 第40段落】で死んだと思われていたジルがいきなりサムのアパートにやって来るのも、何だか本当の話っぽくない。 【未来世紀ブラジル 感想第06段落】 組織が巨大になればなるほど、その権威を傘に着ているだけで実際は能力がない社員が数多くなるのだろうか。何でも部下であるサムに頼るカーツマンや、記録局にクラシック映画を観に来ている局員達、ワサワサと一緒に歩いているだけで本当に仕事をしているんだろうかと思うウォーレン氏やその取り巻き連中、端末機に精通していないのに知ったかぶりのライムなど、こんな人いるかもとちょっと思う。そんな人たちのミスを防ぐためだろうか、書類が何枚も人の目を通過されなくてはならなくなり、人に優しくないシステムが構築される。しかし、そのような形骸化したシステムを持つ企業や国家は、自由競争の社会において、淘汰されるのではないだろうか?と思うのが今日この頃。 【未来世紀ブラジル 感想第07段落】 冒頭に書いた管理職の方は、自由な発想のある頭の切れる人物で、とある会社の新事業に心血を注いでいらっしゃったが、旧態依然とした会社の上司が引き起こした社内紛争で、サム・ローリーのように、なんら悪意のない事実を、歪められて糾弾の材料にされてしまった。結局、その方は他の会社に能力を買われて、その会社を辞めたられたが、会社の方は別会社に買収されてしまったそうだ。今再び『 未来世紀ブラジル (1985) BRAZIL 』の続きが作られるとしたら、ヘルプマン氏もジャックも、国家もろとも外圧でやられるストーリーになるのではと思ったり。 以上。 |
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参考資料:「未来世紀ブラジル (1985) BRAZIL」(映画の森てんこ森) IMDb allcinema ONLINE Nostalgia.com CinemaClock.com |
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Text by Sati |
coda21「映画の森てんこ森」幸田幸。 coda_sati@hotmail.com |
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